勇者の従者だったから俺が捨てられた~子育て珍道中~

すたりな

勇者パーティの一員が離婚される

「――もう、うんざりよ!あなたとは別れることにします!」




ある日、嫁であるロレンタに呼び出された。




唐突に言われた彼女の名前はロレンタ・アンバーナイト


元々は伯爵家の第2子の令嬢だったが、訳があって俺と結婚するに至ったのであった。




 子供にも恵まれ、娘が居るのだが現在3歳。


ロレンタの前では物凄くおとなしく、母親に対して特に恐怖のまなざしで見ていた。




ただ俺と一緒にいつ時は活発で誰にでも打ち解けるいい子ではあるのだが。






さて、この話の続きをするにはまず俺の事を話さなければならない。




 ――俺は佐藤雄一。


設備会社の社員であったが建設現場の事故にあいそのまま命を落としてしまったわけだ。


というより足方踏み外して落下してしまったのが本音だが。




 そして数年前に異世界に転生されスタンという名前を親から与えられたのである。




元々親父は親衛騎士団の団長で、そこそこ腕は立つのだが、酒乱が元に退役していた。


俺が生まれた当時は、新人の指南役として勤めているのではあるのだが、

とてもじゃないが人にものを教えるのはものすごく苦手な人である。



口癖のように「見て覚えろ!」という職人気質な人物である。




 特に剣技は親父から教えてもらったところは強いのだが、面倒見がいいとは対照的にいる。


とにかく育成するのが下手というのが周りの評価だ。




 異世界からの知識を元に料理を作ったり、洗濯を干すための道具を作ったりして過ごしていた。


この辺は概ね大好評といったところだ。




 ちなみになぜそうなったというと、親父は教えるのが下手な癖にプライドが高く、


王宮で行われた剣技能の大会で優勝したことがあるのだが、当然のことながら「俺が教えた!」みたいなことを言ってる始末。




 親父をよく知る人から見たら当然知ってる。


しかし、知らない人が親父の指南をやってる騎士団に入団をすると幻滅してやめていくわけだ。




 料理やモノづくりに才能を発揮すると途端に機嫌が悪くなり、


「そんなのは男がするもんじゃねぇ!そんな暇があるなら素振りでもしてろ!」


というわけだ。




 そんな親父に嫌気がさし俺が15歳になり、冒険者登録を勝手に行い、


冒険者として旅立つことを伝えると母親は「頑張っておいで」と送り出してくれたに対して、


親父は「てめぇおれの騎士団を継がないなら勘当だ、二度と帰ってくるんな!」と言って追い出すわけだ。




 ――そんなの知ったことないと思ってるし、




 そんな俺も数年冒険者をして過ごし、技術や技能を磨いていったのだが、ある時国を揺るがす大災害に見舞われたのである。


ある一国を攻め滅ぼした革命軍が勢力を伸ばし、ある時「魔王」と名乗り世界を征服すると言い出したのであった。






 一時的に侵略行為はあったものの、東西南北の各国の同盟で抑え込むのに当たっていたのだが、絶大な魔力と力により、各国は滅亡の危機に際したのであった。




国力は各国とほぼ同じかそれ以下しかないが、魔王と名乗る男の出現によって、全く歯が立たなかったのである。




 そこで、討伐に乗り出すわけだが、後に勇者と呼ばれるミレイヤの出現によって魔王はうち滅ぼされたのであった。




 また俺はその時、ミレイヤと同じパーティで戦士として前線に立つ身ではあったが、


魔法の心得もあり、また前世の記憶でサバイバルにも長けていたので、支援系戦士といった形でパーティーを何度も窮地から救っていたのだ。




 魔王は倒されたことであとは各国が兵をだし、鎮圧するという作業に追われる為、勇者の力はそこまで必要ではなくなったのだ。






 その時褒美として、勇者パーティの全員に男爵の位をもらい、屋敷を一軒授与されたのであった。


 元々ミレイヤは、第3子の令嬢で実家は伯爵家を第1子の兄が継ぐことが決定してたので、ミレイヤ自身が伯爵の位を授かることになった。




 勇者パーティは現在元々革命軍の領地だったところを取り戻したところにそれぞれ家を持っている。


ユーグリット領と改められ、ミレイヤ=ユーグリットと改名。ミレイヤが治める街でもある。


ちなみにミレイヤに同じ勇者パーティだったころの旦那がいるようだ。




 俺も男爵の位にあるので、スタン・アンバーナイトと改名したわけだ。




 勇者御御一行として祝賀パーティに参加したのだが、


そこで知り合ったのが俺の嫁さんでもある、ロレンタ・ミルドカルトという、伯爵家の娘だったわけだが。




――実はロレンタには兄が居たのだが、第2令嬢だったため相続系はまずないが、


伯爵家を支えるという礼法があり、そのことについて凄く嫌がっていたらしい。




 またミルドカルト家には弟と妹が居るから、別の家に嫁げば弟と妹に任せれると思ったのだろう。


――あの時は俺も若かった。


結婚するのも元々男爵と伯爵と位に違いがあるもののミレイアが居たからこそというのもある。


そのまま勢いに任せて婚約、そして結婚までは行ったのだが結婚生活はひどいものだった。




特に素行が目立つこともなかったし、最初の半年は問題なかった。




――ただ、問題が起こりそうになるた度にやたら悪知恵が回るらしく各方面の根回しが俺よりは凄かった。




ちなみに、新婚の最初のころはギルドからの依頼があったが、しきりに


「ロレンタに家を空けないで!」と言われるから遠方の依頼は断り、近郊の依頼をこなしていたのだが。




当然上層部は問題視するわけだ。




重要な戦の時にはいつもいないでは、困るわけだが、その辺はミレイヤが押さえ込んでくれた。




「スタンは国の盾だから私の街にいるほうが安心できる」


そう言ってくれたのだ。




ただ、その評価に納得ができないのが一人。


ロレンタというわけだ。




 擁護するほうに納得できないのならわかるのだが、事もあろうに勇者なのになんで国の命令の逆らうのときたもんだ。


 その関係で、遠方に行く話が出た時話はするのだが、


その時は「行かないで!」での一点張りだったのにもかかわらず、


今更になって「行けばよかったのに何でいかないの!」と手のひらをぐるぐる回してくるわけだ。






 そして話が戻るが、


なぜか別れ話になっているのだ。




 当然ミッドカルト伯爵家も怒ってくるわけだが、ミレイヤは事情を知ってる。


しかし、暴力を振るわれるとか浮気してるなど全く身に覚えが無い事を風潮してるわけだ。


 どこで作ったか知らない体中の痣までつけて。。。


更に浮気相手がミレイヤだと言う。


それはないだろう。。。。




 ちなみにその痣のいきさつはミレイヤは知っていた。




 最近遠方出兵の話が来た時、ロレンタは仕切りに行くように勧めてたのだ。


こちらも頭に来ていたので行くことになったのだが、ひそかにミレイヤは我が家についていろいろ手をまわしてくれていたおかげでロレンタの素行が明らかになったのだが、ロレンタは実の兄に懇願して、兄の嫁の権力でミレイヤの調査報告を無かったものとしたのだ。




 兄の名前はミラルド・ミッドカルト。


そしてその嫁さんが公爵の第3令嬢だという。




――どうやら俺が居ないところでロレンタは娘に虐待をしていたのだった。


使用人の裏付けで確定してるものの、その出どころになりそうな使用人をすべて解雇してきたのだ。






 ミレイヤがたまたま自分の屋敷の使用人に雇用したところでこの案件は露見したのだ。






――そして俺は今ミレイヤの屋敷に娘と共にかくまわせてもらっているのであった。






☆登場人物補足


スタン・アンバーナイト・・・異世界転生してきた佐藤雄一


ロレンタ・アンバーナイト・・・嫁さん


クレア・アンバーナイト・・・3歳の娘


アセドル・・・スタンの親父


マーレ・・・スタンの母親


ミレイヤ=ユーグリット・・・元冒険者で一線で活躍した勇者であり伯爵の地位を授かった。ユーグリット領を治める。魔王討伐時クレスと同じパーティメンバー




設定無駄に詰め込みすぎたため、短編では書ききれないことが多かったです

(´・ω・`)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

勇者の従者だったから俺が捨てられた~子育て珍道中~ すたりな @sutarina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ