「お前はクビだ、OK?」「OK!」(ズドン!) 追放虫使いの放浪記~気が付いたらモン娘のハーレム作ってました~

優暮 バッタ

歯を食いしばらせてから思い切り腹パンしても構わない系勇者

「ゼノム、お前はクビだ!! このパーティから出て行け、いいな?!」


「よっしゃ! こいつは餞別だとっときな!!」



ズドゴォォン!!!



「ぎょべあぁぁぁ?!?!」


「「ダケーーーン?!」」


「墜ちたな(確信)」



 皆様いかがお過ごしでしょうか。俺の名前はゼノム、しがない冒険者だ。たった今苦楽を共にしてきた(笑)冒険者パーティを追放されたのでリーダー兼勇者の駄犬……もといダケンに一発くれてやったぜ!! ざまぁみさらせ!! この時の為の右手! 後この時の為の拳!



「貴様ゼノム!!」


「なんてことしてくれたのよこの外道!!」



 なんかうるさい二人はダケンの腰巾着の男女で、えっと……誰だっけ? まぁいいや、どうせ追放されたし言う必要性もないだろう。なんか性騎士とアホウ使いだっけ。俺ったらセンスあるなぁ大草原萌えいずるんですけどクソワロリンティウスwwww



「え?! 外道?! どこどこ?!」


「お前だよゼノム!!」


「なんだって、それは本当かい?! おのれゼノム、絶対ぜってぇ許さねぇ!!」


「アンタだって言ってんでしょこのク●野郎!!!」



 口も性格も汚いなぁこの〇ッチ。事実コイツが駄犬と騎士と関係を持っているのを俺は知っている。知りたくもなかったのに。俺がそういうのをできないのを知ってか知らずか。いや、知られててもヤッてんだろうなこいつら。発情期のサルのほうが紳士ジェントルだね



「とりあえず落ち着けよ性騎士(笑)、となりのアホウ使いのおっぱいでも揉めよ」


「…この状況でそんなことするか!!」


「コンマ1秒迷いが見えたな、この状況でも発情するとかお前最低かよ。去勢して人生出直してくれば? というか生まれる前からやり直したら? そんでもって忠誠誓ってるカミサマにケツシバいてもらえよ、新たな門が開くかもな、ケツの門それつまりってやかましいわ!!」


「~~~~~~~~~~~!!!」


「全く、お前たちのせいで話が進まないじゃないか。なのでとりあえずお前らは静かにしようね」


「「あぁああぁぁああぁぁぁ……」」




 怒りのあまり反応が遅れたのか、普段なら避けられるであろう俺の吹矢をモロに喰らう二人。矢にはたっぷりしびれ毒が塗ってある、数時間はビクンビクンする羽目になるだろう。ほら、倒れた床の上で釣られた魚みたいにピチピチしだした。アホウ使いの顔が怒りのあまりシワシワのマジ鬼みたくなってるwwww この顔を絵にして未来永劫イジり倒したいところだが、今回は時間がないのでナシ。


 さて今のうちに退職金を徴収するとしよう。あと全員の顔にラクガキ、そして悔い改められるように髪型をトンスラ(むかーしの聖職者に多く見られる頭頂部のみをツルツルにするヘアースタイル)にしておく。☆悔い改めて☆



 俺知ってるんですよぉ~? 俺に渡す報酬金を分かりづらいように必要経費だっつって少し減らしてお前ら三人でちょっとずつガメてるの。今まで受けた依頼全ての報酬金を四分割した数字を割り出し、一人分をちゃんと徴収。そしてこいつらがガメてた分の金額も合わせてきっちり徴収する。案の定足りないのでこいつらが使っていたそこそこ値のつく装備をはぎ取って売却することにする。あ、ちゃんと余った金額はコイツらの口座に入れとかないとね。ケチ付けられても困るし。


 給与明細はないが、俺が今までコツコツ書いて纏めていた依頼の合計報酬金額と実際に俺が貰っていた給料をメモした羊皮紙をこの後ギルドに提出するつもりだ。ギルドには『真偽の水晶』と呼ばれるマジックアイテムがあり、名の通りあらゆるもののウソと本当を見分けてくれる。これを使えば俺の報酬金徴収

はぎとり

は正当化され、手続きを終えれば晴れて俺は円満追放されるという訳だ。


 という訳でさようなら諸君。俺が居なくなった後も他の奴らに同じようなことしてたら、両手足チョンパして生きたまま寄生虫の苗床にして体内体外纏めてぐちゃぐちゃのミンチにして虫の幼虫のエサにするからヨロヨロ~。じゃあな!!


 あとついでに気絶しているダケンの顔面に屁もプレゼントしておいた。



ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ







 俺はしがない冒険者ことゼノム。ちょっと変わってることがあるとすれば、虫使いっていうレアスキルを持ってることくらいカナ……そんな訳で俺は、生ゴミたちの居た拠点から場所を移し、隣国『インセクタ』の王都へとやって来たのだ








 宿をとったら冒険者ギルドへ行き、軽くこの辺りの地形や出現する魔物をギルドに置いてある資料でチェックする。この国で出現するモンスターは割と危険度が高く、それに比例して国力自体も自然と強いものとなっている。そしてこの国の半分を包み込むように国境に横たわる広大な森林地帯。ゼノムはこの森林地帯に注目していた。レアスキル、虫使いのホームグラウンドだ。


 そうして俺がインセクタで活動を始めて数か月が経った。



「あ、ゼノムさん! おかえりなさい!」


「おっす受付嬢ちゃん。ムカチャッカマジ草の納品占めて百本、品質確認お願いねー。あとついでにツインヘッドレックスの解体と売却もよろしくー」


「納品物の量もですけど、ついでがついでじゃありません?!」



 虫使い。それはレアスキルながら不遇だと言われている。なぜなら虫と意思疎通を可能にするくらいしか能がないと思われているからだ。それは違う。虫使いの本懐とは、『虫の能力を使えること』なのだから



 レアスキル故か研究が全く進んでいないせいでゼノムも最初は苦労したが、使いこなしてからはマジでヤバいスキルということが判明した。まずは虫と意思疎通を繰り返し経験を積むことでスキルのレベルを上げる。すると魔物の中でも虫型に分類されるものとも意思疎通が可能になるのだ。


 そしてスキルレベルをカンストさせると、自身に今まで親交を深めた虫の能力を発現することができるのだ。例を挙げれば、バッタと仲良くなれば凄まじい跳躍力を得ることができる。バッタの魔物である『グラトニーホッパー』と仲良くなっておけば、蹴り一発で強固な城壁に巨人が通れるほどの大穴を開けることすらできるのだ。



 他にも自分のレベル以下の虫を使役し諜報員としても使える。今までゼノムは雑用兼斥候モドキとしてダケンたちとパーティを組んでいたのだが、追放前日にスキルレベルがついにカンストしたのだ。やったぜ。



 本来なら雑用兼斥候モドキが勇者をワンパンKOなんてできるはずはないのだが、あの時は『パンチングマンティス』と言われる虫の魔物の能力を瞬間的に発現させ一矢報いたのだ。パンチングマンティスは神速の拳闘士と呼ばれており、名の通り神速のパンチで敵を攻撃する危険な虫型の魔物だ。


 以前依頼でこの魔物の討伐に勇者パーティで赴いたのだが、ダケンとモブ騎士纏めてワンパンKOされるわアホウ使いは虫イヤーとか言って宿に引きこもるわでゼノムは大変な目にあった。どうにかよく回る舌でパンチングマンティスをなだめすかし、別の場所に住処を移してもらうことで依頼を達成したが、その後ずっと勇者たちの機嫌は悪かった。そのときの俺の給料がいつもよりも少なかったのを俺は絶対許さない



「そんじゃ解体と鑑定よろしくー。オレキトク、ヤドニカエル」


「あ、待ってください! そういえば虫使いのゼノムさんに指名依頼が来てましたよ!」


「はえ? いや、俺Cランクなのに指名入るの?」


「ギルドマスターがこの依頼はゼノムしかこなせないって言ってました。こちら依頼書です」



 指名依頼とは、上級冒険者に対してギルドや貴族やらが直接だす特殊な依頼だ。本来なら間違っても俺のような中の下レベルの冒険者に出すような依頼ではない。依頼書を見た時、俺は大きな違和感に襲われる



「何々ぃ……俺単騎でグリードアントの殲滅? ギルマスはふざけてんの?」


「大真面目なようです……」



 近頃森林地帯から王都の方へと向かってくるモンスターが頻発しており、お偉いさん方はダンジョンが出来たのではないかと疑っているようだ。そしてそれを確かめるため近日大規模な大森林の調査をするらしい。その調査をする中でどうやら巨大なグリードアントのアリ塚が発見されたようなのだ。



「コレ、殲滅が必須条件なの? しかも俺ソロだよ? ムリなんだけど?」


「ギルドマスターはゼノムさんのことを見込んでこの依頼を任せると言ってましたが……」


「ないね。この依頼を出したのがギルマスなら無謀すぎるグリードアントの殲滅なんて条件はださない。つまりこれは『どこかの誰かさん』が勝手に依頼書に介入して書き換えたか、ギルドマスターの名を勝手に借りて死刑宣告書コイツを書いたんだ。こいつァ信用問題になりますぜ? 姉御? ちょいと仕事が杜撰ずさん

過ぎやしませんかね?」



 ここの冒険者ギルドのギルドマスターは、冒険者を引退した後たたき上げでギルドマスターの地位まで上り詰めた傑物だ。そんな現場を知るギルドマスターだからこそこんな無謀な依頼は出すはずがないのだ。まったくどこもかしこも闇が深い。



「で、でも……」


「俺を見込んでってセリフ、ギルマスから直接聞いたの?」


「い、いえ、ギルドマスターは現在出張で他支部まで出てまして……この依頼書はギルドマスターが今居るギルドから送られてきたんです。さっきのセリフは依頼書と一緒に入っていた手紙に書いてありました」


「ふぅん。真偽の水晶には通したの?」


「はい、通しました」


「水晶は欺けるものなの?」


「普通じゃできませんよ! よほどの魔法の使い手でないと……」


「どれにしろ、この手紙を受け取って応対したのがキミでしょ? これからはちゃんとモノを考えて仕事しないと思わぬワナに引っ掛かっちゃうよ? 今みたいにマニュアル通りにやってたら、いくらでも付け入るスキがありますって言ってるようなもんだし」


「ご、ごめんなさい……」


「互いに信用しあってこそこの業界は成立してるんだ。そこんとこちゃんとしてね? 俺はキミのおかえりなさいって言葉に癒されてるんだからさ」



 ちょいと言いすぎたのでフォローしつつ俺は依頼書を改めて見る。ギルマスの筆跡は見たことがないので何とも言えないが、随分とキナくさい感じになってきた。とりあえずこの依頼は受けるとしよう。御大層な手を使ってきてくれたのだ。『引っかかってあげる』ほうが面白そうだ。あとなぜか受付嬢が熱っぽい目でこちらを見ていたが、なんだったのだろう









「というワケなんスよ王女様」


『汝も難儀な人生を送っておるのぅ。ちこぅ寄れ、褒めて愛でてやろう』


「一応仕事中なんで、今はそういうのはいいです」


『残念じゃ。仕事でなければ、蕩けるくらいに甘やかしてやったものを……』


「俺は寄りかかるより支え合うのがいいんで。むしろ王女様には寄りかかってほしいなって」


『くふふ、この妾を甘やかしたいと。ほんに面白い人間よな、汝は』


「誰にでも言うワケじゃないですよ? フフフ」


『人たらしよな、汝は。妾は人ではないが』



 という訳で私ことゼノム、グリードアントの王女様と対談中でございます。喜べ、黒髪長髪の極東美人のモンスター娘だ。彼女の名前は荒産女アラウメ。この森の地下の支配者と呼ばれており、大森林のあらゆる場所に彼女の巣は通じているという。個人の戦闘力も相当なもので、さらに彼女の一族という数の利も相当なものだ。彼女たち一族が本気で国を取りに来たら人間の世は一年持たないだろう。気が付かぬうちに地下から侵略の手が迫っているのだ。愚鈍な人間には防ぎようがない。




 遡ること数か月前。俺はギルドの依頼ではなく自分の意思で大森林へと訪れた。虫使いのスキルを存分に発揮しながら虫たちと仲良くなり、様々な能力を発現させていった。その中で出会ったのがこのアラウメの治めるグリードアントの一族である


 彼女の他にも色々と仲良くなったモンスター娘達が居るのだが、それは今置いといて





『して。汝はこの事態をどうするつもりだ? 妾を殺して依頼を達成するか?』


「まさか。だったらこんな悠長なことせずに速攻で貴女の命を狙ってますよ、最も狙おうとも思いませんが。ちょいと一芝居打とうかと思いまして。ほんの少し、協力してもらえませんか?」


『ほう? 汝、まさかなんの対価も用意せずにこの妾の力を借りようと?』


「いえいえ。この一件が終わり次第、一日私にできることならなんでもやらせることができる権利を差し上げます」


『ん? 今なんでもするって言ったよね?』


「え? えぇ。まぁそうですね」


『いいだろう。手を借りたいこととはなんぞや。言ってみせよ』


「そうですね、では……」



 一瞬背筋に冷たいものが流れた気がしたが、気のせいだろう。そしてゼノムはグリードアントの殲滅依頼を最後にインセクタの王都から姿を消した。






 ゼノム失踪から数か月後、王都の中央広場にて。月が眠りにつこうかという深夜帯、二つの影がひそひそと会話を交わしている。どちらもフード付きマントで表情は見えない



「ゼノムは失踪しました。グリードアントの依頼を受けて以来王都に帰ってきていません」


「よくやった。では死ね」



 一瞬だった。一方の影がもう一方を一方的に切り殺したのだ。切られた方は当たり前のように地面に倒れ伏し、血の池を作り出す。それをなんて事のないことのように切り殺したほうの影は剣の血払いをする。そしてフードの下でその口元を歪ませ歓喜に震えた。が



「次にお前は『これで俺たちの犯罪を知るものはいなくなった……ここから俺たち勇者パーティの快進撃は始まるんだ!』 ……と思うだろう? 違うんだなコレが」



 ざわぁ、と倒れていた死体が一瞬で無数の黒い点に崩れ、あっという間に雲散してしまった。その光景に動揺を見せる影。刹那、影は背後から現れた人物によってあっというまに組み伏せられた。拘束から逃れようともがくも、凄まじい力で関節を押さえつけられており抜け出せない。



「安心しろ、そいつは人間じゃない。数多の小さな虫の集合体だ。切られるであろう場所に赤い染料を混ぜた水が入ったビンを入れといた。この深夜じゃ赤い水も血に見える。まぁ元雑用なんかに組み伏せられてる勇者サマにはタダの水でもよさそうなもんだけど、一応ね?」


「おまえ、まさか……」


「そうだよ俺だよ。だいぶ前にテメェらが追放したゼノムだよ。次にお前は」


「「ゼノム?! グリードアントに殺されたはずじゃ?!」」


「と言うだろうな。残念だったな、トリックだよ」



 次の瞬間勇者ダケンの首にチクリとした痛みが走る。そして彼はあっという間に昏睡した



「よぉし、後は宿で待機してるアホの仲間を警備隊がしょっぴけば、これで万事OKだな! 帰って寝るか」



 ダケンの足首を掴み、引きずりながらゼノムは騎士団の駐屯地へと向かう。騎士団に勇者(笑)を引き渡し、仲間もろとも牢にブチこんだら今回の一件は終了だ。



ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ




 ゼノムは自分の身の丈に合わない指名依頼が来た時点でギルドの職員を疑った。そして小さな虫を数匹雇い、あの受付嬢やギルドの要職に居るものを見張らせたのだ。そして数人のギルド職員がダケンたちに脅されていることを知ったゼノムは、脅されている職員達のために一旦アラウメの所に身を寄せ姿を隠した。そしてゼノムが死んだことを報告させるためのギルド職員をデコイと入れ替え、今夜に至る


 このことは出張していたギルドマスターに手紙で報告済みであり、実行するための太鼓判を貰ったため今回のだまし合いを行った。この世界に勇者は数いれど、ここまで外道に落ちたのはダケンパーティくらいのものだろう。事実彼らを持ち上げていた関係者は一部を除き、軒並みゼノム追放やダケンが各地で行っていた蛮行を知らなかったようである。もちろん彼らも責任を問われ大変な目にあったようだ。




「ともあれ、です。俺を追放したアホ共は皆仲よくブタ箱の中、俺にはアホ共の蛮行を暴いた報奨金と追放された見舞金として百万金貨ポン! とくれましたとさ、おしまい」


『それは何より。奴らもまさか汝が討伐対象の巣の中でくつろいでいるとは思うまいて』


「それ、受付嬢に言ったらものすごい顔されましたよ。あの顔は今思い出しても笑えるなァ」



 ゴタゴタが片付き、全てから解放され通常業務に戻ったゼノムはアラウメの膝の上で微睡まどろみを楽しんでいた。一日自分を好きにしていいと言ったが、思ったより穏やかな権利の使われ方で一安心である。



そう思ってたんだけどなぁ




「森の警備隊よ!」


「大人しくしてくださいね~」


「いきなりどうした?!」



 アラウメの部屋に突如突入してきたのはエンヴィーホーネットの女王ヴィーネにスロウスアラクネのスーラだ。ヴィーネは黄色と黒のドレスを纏う金髪お嬢様と言った感じで、スーラはどこかふわふわとした雰囲気と髪型をしている癒し系の美女である



 ゼノムがこの国に来てからは主にこの三人と色々縁があり、今では割と仲良く話せる間柄になっていた。



「お主ら遅いぞ」


「スーラが色々と準備してたせいで遅れたのよ!」


「えへへ~、ちょっと張り切っちゃいまして~」



 スーラが取り出したのはセクシーな服三着と小さなビンに入った薄紫の液体だ。あの液体は確か……あっ(察し)



「こんな危ない場所に居られるか!! 俺は自分の宿に戻るぜ!!」


「これ、大人しくせよ!」


「縛りますよ~」


「暴れるんじゃないわよ……! 暴れんじゃないわよ……!」


「にゃめろう、じゃねぇ、ヤメロォなにする……放せコラ!! 放せってコラ……」


「ほれ、じっとせよ。お前たちはそちらを抑えよ」


「お前ら三人に負けるわけないだろ!!」


「抵抗してもムダですよ~」


「バカ野郎俺は勝つぞオラ!!」


「このびや……コホン、お薬をこうして……えいっ! チクっと!」


「あぁああぁぁああぁぁぁぁぁあ……」


「「「さて、いただきます(わ)」」」


「アッーーーーー!!!!」





それからのゼノムは……立派なお父さんになった、とだけ言っておこう。あとなぜかメンバーが続々増えたりするが、それはまた別の話







ЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖЖ


キャラ紹介



ヴェルゼノム・セルクタス


 主人公。二十代。中堅冒険者で、勇者ダケンの御守としてパーティに加入 (させられた)したが、人格破綻者ばっかりで胃痛の日々だった。が、スキル『虫使い』のスキルレベルがカンストし、単純戦力が勇者たちを超えたので、いろいろ取り戻してからパーティを抜けた。それからは隣国インセクタで一旗揚げ、王都の看板冒険者になった。


 スキル虫使いは自身の魔力を消費し親交を深めた虫の能力が人間サイズで発現する能力。バッタの脚力でジャンプすれば王城のてっぺんの旗に触ることも可能。人知を超えた能力の代償か、ゼノムの両目の眼球は赤く染まって複眼状になっており、腕など体の一部も虫の甲殻のようになり人としてのナリを大きく損なっている。そしてさらに人間に性的興奮を覚えることが出来なくなる。



 人の範疇を超えた存在と魔物の範疇を超えた存在同士は惹かれ合う運命だった、と言うことだろうか



ダケンと取り巻き


 色々とクズな奴ら。殺人、強盗、窃盗、詐欺、婦女暴行、密輸、誘拐、放火なんでもござれの勇者げどう衆。勇者と言うことをカサに着て悪徳貴族とつるみ悪行三昧だったが、ゼノムにズタボロにされ執拗にゼノムを狙っていた。が、ゼノムの一芝居に見事騙され投獄、ウワサではマッドな魔術師に売り渡され、意識を奪われ生きたまま魔力炉心として絞られ続けているとか。あと貴族の方は軒並み潰れた。



受付嬢


 インセクタの王都冒険者ギルドの受付嬢。可愛いが、仕事は少々ザツい。ゼノムに告白するも「君じゃ興奮できない体質なんだ、ゴメン」と言われ、それがトラウマとなり同性愛者になったとかいうウワサ。





アラウメ


 黒髪ロングな極東美人。バブみMAX。グリードアントの女王蟻で突然変異種らしく、魔力で産み出した一族全体を手足のように操り国一つを『正面から』制圧できる戦力を持っているらしい。本人曰く、『正面からやるのは犠牲が出るであろう? 地下を制圧し地脈を奪えば戦わずして世界中を手に入れることもできる』とか。


 ゼノムの赤い複眼に一目ぼれをし何かとゼノムの世話を焼きたがるが、ゼノムは逆に甘えさせたいとかいうので、その一言で完全にオチた。





ヴィーネ


 金髪お嬢さまな美人。しっかり者でツンデレからツンを7割ほど抜いた感じ。ツンデレとは(哲学)。エンヴィーホーネットの女王蜂で、アラウメと同じく突然変異種。女王としては新人で、巣分けで飛び立った女王の一人だったが魔物に襲われ護衛が全滅。そこをゼノムに救われた。女王として振る舞おうとプレッシャーに押しつぶされそうになったりするも、ゼノムに適度に気を抜くこと、休むことを諭され徐々にゼノムに惹かれていった。


 アラウメに溶ける寸前まで甘やかされたゼノムを正気に戻したり、スーラの自堕落を諫めたりと姉みが強い。たまに甘えてきたときの破壊力はヤハリヤバイ(確信)



スーラ


 ふわふわ系自堕落お姉さん。大丈夫大丈夫~が口グセで、スーラがこう言う時は大体大丈夫じゃない。でもほっとけないオーラのせいでスーラ自身は大体どうにかなってしまう。下半身がクモのスロースアラクネで、単体の戦闘能力は三人の中で一番高い。巣を張り獲物を待つタイプのクモの特性を持っていたが、怠惰癖がでて全く獲物の取れない場所に巣を張ってしまった。飢え死に寸前でゼノムに食料を恵まれ餌付けされた。


 意外にも三人の中で一番肉食系。スーラ……ひっくり返すと……あっ(察し)







余談


このインセクタに横たわる大森林はキナ臭い話が多く、追放された犯罪者が森の奥深くに居を構えているとか、頭のイカれた研究者が日夜人をさらい人体実験をしているだとか、果ては森の魔物を統べる魔王がいるなど話題に事欠かない。

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「お前はクビだ、OK?」「OK!」(ズドン!) 追放虫使いの放浪記~気が付いたらモン娘のハーレム作ってました~ 優暮 バッタ @zaregotobatta8390

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