茨木のり子著『詩のこころを読む』

ドルファイ76

第1話 こころとの対話


いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。


『詩のこころを読む』という作品は、

そんな序文で始まります。


詩人である茨木のり子が、

心に刻んだ珠玉の言葉達を、

紹介していく作品になります。


茨木の着眼点には、どれも関心します。


例えば、

吉野弘の『生命は』という詩では、


『生命はその中に欠如を抱き

それを他者から満たしてもらうのだ』


という箇所から、

認識はつつましく、

正確であると同時に、

敬虔な祈りの様に捉えています。


また、

詩全体としても、

表現に余分なものをいっさい

ふりはらい、

方程式の様な明晰さを、

持ち合わせていると語ります。


そして、

この詩の核心を、

生命の『欠如の原理』として、

結んでいます。


いくつもある

別の著名な詩についても、

テーマに沿って、

茨木は、行間を心で捉えながらも、

自らの文脈で語っています。


どのように、

自分の心と他者の心を

近づけていくのか、

非常に参考になります。


不安定な時代だからこそ、

生命溢れる詩を、

取り込むことで、

心が磨かれ、豊かになることを、

確信しています。


おすすめをさせて頂きます。

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