Keep Secret love

@jiteifujin

第1話

恋をすると途端に目覚めた瞬間から…世界が…見慣れた風景でさえキラキラしてる。

横断歩道のストライプでさえ眩しい夏

恋が始まった。


どうして彼はこんなにも私の心を溶かしてくれるのだろう?

ご飯を美味しそうに頬張る笑顔、ちょっとした女子扱いに低い声…

どれもが乾いていた心に染みて、優しさという愛が注がれ一気に溢れた。

すっぽりと包み込むような優しい眼差しと顔つきと ふんわりとした見た目とは裏腹に 鋭い人選嗅覚を持ち得ている利口な自立できてる男。

そんな 拓未に認められた…

それだけで楽しみに飢えていた私の毎日が彩られ 素敵なパーティーに参加出来るチケットを勝ち取った気分だった。

12年抱かれていない人妻にはハードルの高いヤバく甘い恋愛が始まった。


拓未は SNSで共通のアーティストが好きで意気投合し、私が見知らぬ土地でのライブ中 具合が悪くなり 会場を後にタクシーを拾おうと朦朧としている中、真っ先に助けてってラインをした相手だった。

夫ではなく…会ったこともない16も歳下の男の子に…

「こんな時に沖縄にいるのがもどかしい 今度は俺が何処でも付いていくから!」と電話で言ってくれた。

夫に連絡していたら 最もらしい正解の答え、救急車を呼び病院へ行きなさいと冷たくあしらわれただろう…

意識が飛びそうな気分の悪い中 その言葉だけが私を支え 遥か遠いタクシー乗り場まで記憶がなくなる程歩いた。

拓未に恋をした 普通じゃない状況だけどその瞬間確かに何か大切な物を受け取った。


彼には不思議な魅力を感じる。

初めて感じる気持ち。

大人じゃない でも、力強い頼りになる男っぽい魅力。

賢さと育ちの良さを感じる顔立ちや綺麗に整った歯並び。

そして、、、ピアノを習っていた白くて美しい苦労の見えない長い指。

美しいだけじゃなく、確かに男を感じる力強い肩幅に腕。


「千聖、会いにきちゃった」

拓未に初めて会えたのは ライブから帰った次の日。

沖縄から逢いたくて心配で飛んで来ちゃった!

そう言って両腕を大きく広げ、「おいで」と言い髪にキス優しく長いハグ…

付き合う約束を交わし 見つめ合いキスをた。

初めて会う人なのに 初めてを感じない拓未の空気は 15年夫という異性しか知らない私には眩しすぎたが 2年恋人のいない若き男とレスな主婦 空腹過ぎた2人が身体を重ねるのに時間も歳の差も余計な不安などかき消された。

恋することがまたあるとは…

先のこと 自分の置かれた立場など考える余地も無く痛いほどに夢中になっていった。





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