要素・証明 7

 幻が雫になって、春の葉先にのせられて、崩れた風の音に声をあげていた。かすれた涙の、少年の日に残した香りは、月に拐われて結晶になる。

 土に水を与えると、泣きながら分裂する鳥の骨が見えてきた。

 街灯の下で、泥と汚れを分けているような少年だった。

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