レンジャーティル君は、魔族のお姉様から貰った腕輪のお陰で魔族と友達になれた様です。

うさぎ蕎麦

第1話「相棒フラッド君は無口ウィザード」

 これはティル・ラッドと言う冒険者の物語。

 冒険者ギルドの依頼により、とある洞窟を探索するまでは極々普通の駆け出し冒険者に過ぎなかった。

 強いて言えば、生まれ育った村が少しばかり貧しかった位であるが。


 登場人物

 

 ティル、 職業レンジャー 17歳♂ フツメン 背低め

 フラッド、職業ウィザード 17歳♂ イケメン 背高め



 *



ティル 「はっはー、今日も天気が良いぜ! こう天気が良い日は仕事ほっぽりだして女の子と遊びにいきてーなッ」


フラッド「相手は?」


ティル 「相手? はっはっはーそんなもん、フラッドきゅんが色仕掛けで一発よ!」


フラッド(ジトー)


ティル 「なんだよぉ~イケメンウィザードのフラッドサマの手に掛かれば女の子なんてイチコロじゃんかー」


フラッド(フルフルフル)


ティル 「え? 世の中そんなに甘くないって、ははは、まさか、冗談よしてくれって」


フラッド(プイッ)


ティル 「ちきしょーわーったよ、俺がやれば良いんでしょ、俺がッ」


フラッド(じぃ~)


ティル 「え? 何? お金が大事って、はっはっは、大事だからこそ女の子を射止める為に必要なのさ!」


フラッド「フーン?」


ティル 「そりゃー、魔法の研究や装備の強化も大事だけどよぉ~? でも、それだけじゃつまんねぇじゃん?」


フラッド「ところで、射止めた事あった?」


     フラッドの鋭いツッコミがティルの心臓目掛け放たれる!


ティル 「ば、馬鹿言え! 超絶ハイパーモテ男のティルって呼ばれる位俺はモテるんだってば!」


フラッド(ジトー)


ティル 「うぐっ、その、お、か、可愛い女の子見っけ!」


    ティルは目にも止まらぬ速さで見付けた女の子の元へ駆け寄った。


ティル 「フッ、そこの可憐なお嬢様、この僕と素敵な一夜を過ごさないかい?」


女の子1「すみません、間に合ってます」


    ティルが声を掛けた女の子は脱兎の如く逃げ出した。


フラッド(ニヨニヨ)


ティル 「ば、ばか、デートの予定があっただけだぜ!」


フラッド「右」


ティル 「何ッ! ぬおぉぉぉ! 可愛い、まるでエメラルドの様な可愛さ! ナイスフラッド!」


フラッド(比喩用言が可笑しい)


    ティルは疾風の如く次の女の子の前に駆け寄った。


ティル 「やぁやぁ、そこの可愛いお嬢さん、今宵はこの紳士である私めとご一緒しないかい?」


フラッド(ツンツン)


ティル 「なんだよ、フラッド、ってええ!? 女の子が居ない!?」


    ティルがスタスタと先を歩く女の子2に向けて走り出そうとするが。


ティル 「うげーーー、ふらっどぉーーー『機動力低下魔法ディレイ』なんが、がげるなぁぁぁ」


フラッド つ『空気』


ティル 「え? あんだぁ? がどーしたって言うんだ?」


フラッド つ『空気くうき


ティル 「は、はは、わざと、わざとだぜ? くうきって読むのは一般ジョーシキだからな、はっはっは、で、空気を読めたけどそれがどーだってんだ?」


フラッド(ジトー)


ティル 「あはは、その、なんだ、うん、押してナンボって言うじゃん? え? 次は左? よし来た俺に任せろ!」

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