ひとりデ〇ズニーランド

@kononai

第1話

この作品はフィクションです。実在する人物、施設、団体とは一切関係ありません。


また作者の感情は一切含まれておりません。




俺はある場所へ向かっていた。巨大な施設、全国のリア充どもが集う商売至上主義として名高い


「東京デ〇ズ〇ーラン〇」である。


「〇〇〇ィ〇ニ〇〇〇ド」である。(大事なことなので二回言いました)




ついに出発してしまった。




一人で




本当は一人で来る予定など一切なかった。


家に届いた株主優待券としてここのチケットが届いた事が始まりだった。


ディズニーに行くにしても誰かといかなければつまらない、と思いスマホの連絡先を見ると驚愕の事実に気づいてしまう…




誘う友達がいねぇ、と。




こんなにも深い理由があるのだ。


この理由を説明すれば「それは仕方のないことだ」と隣人部やら奉仕部やら卓球部やらは口をそろえて言ってくれるだろう。




券を見てまず売りに行くことが頭に浮かんだが、ここで同時にかぐや様は告らせたいの石上君の


「何も行動を起こさないくせに呪詛や恨み言を連ねる僕が一番惨めだ」


という言葉が思い浮かんだ。俺も勇気をだしてここ、浦安の地に初めて来たのだ。




電車から降りるとそこはもう既にやられていた。


発車メロディーの音楽に周りの雰囲気、もうそこはディズニーに侵略されかけていた。


しかしJRは必死の抵抗により上納金(スポンサー料)を払うまでには至っていなかった。


ここにはまだ希望がある。と思っていたのは束の間、人の波に乗り駅を出てしばらくすると周りは賑やかで楽しそうな雰囲気一色であった。それを見るたびに俺の心を苛んだ。


ドローンから見れば俺と周りとのコントラストがさぞ美しかっただろう。




ディズニーランドの入口が見えてきた。早くも帰りたくなってきた。




入るとまずショッピングエリアが広がっていた。お昼時であるのでまずはお昼を食べることにしたのだが、どこもかしこもお値段が高い。富士山の山頂でもびっくりする。どうやら俺が知っている物価は通用しないようだ。仕方なく商店街(?)の終着点にあるレストランでホットドッグを頂いた。値段は高いが味は美味であった。店内まできちんと作りこみがなされていて流石だと感心してしまった。




お昼を食べた後はマップとインターネットをにらめっこしながらアトラクションへと向かった。


最初は周囲の目を気にしていたが段々俺のことなど周りの人の眼中にもないことに気づき楽にできた。


リア充が楽しんでいることは気にしないことにした。俺の年金増えるかもしれんし。


アトラクションはディズニーの知識がほぼゼロの俺でも正直楽しかった。


しかし男の一人ディズニーのレポートなんてワカメちゃんのパンチラ並みに需要がないと思われるので割愛させていただく。




夕暮れになる連れ人が増えていった。


パレードが始まるらしい。しかし半日もこの場にいれば人ごみに待ち時間などでつかれてしまうものだ。俺は帰ることにした。


また来たくなってしまうのではないかと思いながら出口に向かって歩いた。


誰もが楽しそうだ。キャストは優しい。うん確かにディズニーにやたらと行きたがるやつの気持ちが少しではあるが理解できた気がする。


ショッピングエリアでは皆お土産を楽しそうに選んだり、大事そうにお土産の入った袋を抱えたりしている。


送る相手はいないが自分用に小さなキーホルダーを買いすぐにバッグに付けた。




出口を通る。今日一日が思い出され感慨深くなる。また来たいな、と。






ふと入口に目をやると「料金」が書かれている。


やっと目が覚めた。今までは夢を見てつい忘れていたがここは商売至上主義の場所。


ディズニーランドである。




駅へ向かう。周りは幸せに包まれている。それを見ると俺の心を苛んだ。俺と周りのコントラストで上から見ればさぞ美しいだろう。リア充に対する気持ちも元に戻った。




京葉線の発車メロディーが鳴る。やはりここはディズニーに侵略されていると思う。




電車は席に座ることができたのでバッグを手元に置く。


たまたま先ほど買ったキーホルダーが目に入る。今日の楽しかった記憶を思い出しつい綻んでしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ひとりデ〇ズニーランド @kononai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ