ラインテルン公国のアルゴール総教会主教の対面2


前回、ベルゼブブは黒い騎士メンバーアレオーゴルに襲撃されるも返り討ちにし、ベルゼブブの特有魔法で眷属を体内に住まわせたままアルゴール総教会主教の元へ戻るよう操った。


「もうすぐラバストです。ラバスト領内では大神官が魔法防壁を張っていて攻撃を弾き返すことが出来るらしいそうですが壊しますか?」


「いえ、サレオスが動くのを待ちましょう。それに、時限爆弾は後もうすぐで起動しますよ。」

アルゴール総教会内に入った瞬間、体内から大量のサソリが一気に突き破って放出され、ラバスト内は大混乱 ラバスト内にいる小僧と神官見習いたちは寄生せずに領土外に追い立ててあの二人が保護するという計画になっている。


「あいつ程度なら余裕で倒せるでしょ?」


「ちっ まぁな、伊達に大神官をやってた訳じゃ無いからな。黒い騎士は基本、1人で暗殺する。大神官や最高神官クラスを暗殺するのは黒い騎士メンバーのリーダー格のエレソンだろうな。」


「どデカい眷属 タランチュラ族族長 クロモスがいるから小僧と神官見習いの護衛は大丈夫だろうし、この森に住むコックローチたちで黒い騎士の動向は監視してる。」


「それはありがたいね。俺の護衛はなしか?」


炎極の蜉蝣フレアエフェメール

普通のカゲロウとは違い煉獄の炎を纏い敵認定されている自分を普通の水では消し去ることが出来ない炎で攻撃するベルゼブブの眷属であり特有魔法の一つだ。


「流石だな。大神官クロワロだからやってのける任務かな?」


「そうだね。期待してるよ。敵は2人来てるね。」


幻祈矢ゲベートアルシナシオンアロー

日本語読みだとげんきやで相手に神の生贄にされている様子を幻覚として見せつつ、じわじわ猛毒によって冒され死に至る魔法の矢である。


「当たらなくても一時的に幻覚を見せられる。大神官の魔法の矢だ。しかも幻覚を見せる系統のな。ある程度は持つはずだが…」


「ある程度持てばいいよ。もう終わる。」

アルゴール総教会内に入ったアレオーゴルが爆発し、大量のサソリが神官を襲い始めた。


「くっくっく ラバスト領内では大神官と大神官長の結界によって隔離 小僧や神官見習いたち、まだ幼い子供たちを残して大人は結界内に閉じこもっております。くっくっく」


「子供たちは保護させるようにしておいたから。幼い子供たちを性的な暴行をしていたという証拠はあるからね。」


「やらして頂こう。揺隕の槍グングニール

グングニルまたはグングニールは意味としてギリシャ語で揺れ動くものという意味があり、日本語読みではよういんのやりになります。ちなみに隕石の隕はしぬという読みもあるので昔、隕石によってどこかで死人が出たんでしょうかね。余談でした。


大地が揺れながら真っ赤に燃え上がる槍が結界の上に現れた。

巨人族族長のドラゴルが指をパチッンと鳴らすとグングニールが結界を貫こうとしている。


「流石に硬いですな。」


「大丈夫ですよ。超加速アクセル

超加速は魔法をかけた物の速度を速め、物理的法則を超えた速さまで速められる。

その魔法のおかげなのか結界は崩壊 中にいた人はグングニールに焼き殺されたり、押しつぶされたりと

様々な死に方をしてラバストは陥落した。


「おぉー 結界が壊れましたね。」


「ラバストはこれで壊滅か… 割とあっさりアルゴール総教会主教も死んではいないか。」


「そうですな。ここではなくラインテルン公国首都におるのでしょうか。」


「サレオス どうだった?」


「くっくっく 総教会幹部のうち死んだのは護民卿のアトラドフと教務卿のエトリアルの2人だけです。くっくっく あとは逃げたようです。私の影が追ってるのですぐに分かるかと」


「了解 ラバストの死んだ人たちはアンデッド化させておいて」


「了解致しました。ベルゼブブ様」

ムルムル率いるアンデッド軍も控えさせていたが活躍の機会はやってこず、死んだ全ての神官たちをアンデッド化させて軍に編入していく。


「保護した子供たちはご飯と衣服を与えて子供がいない家庭に協力を仰いで育てて貰うことにするわね。」


「はい、もちろんでございます。」


「この子たちは全員孤児なのよね? アレクサンドルくん」


「うん、戦争孤児だよ。ラインテルン公国は弱小国家の都市国家や市民が統治する自治国に戦争を仕掛けては子供さらったり親を殺して連れ去ったりする… それらをアルゴール総教会に売りつけて臨時収入を得たり、または女の子なんかだと性的な暴行をされたりしてその子供も信徒としてアルゴール教に入信させる方法で信徒を増やしてるんだ。」


「酷いやり方をしますな。どうされますか?」


「多分、ここを取り返しに全信徒及びラインテルン公国とパコルト、フェラントリア、プロリアストの軍合わせて30万ぐらいだと思ってる。」


「そう言えばエレソンは?」


「大丈夫 コックローチによれば主教の下に戻ってるらしいから。とりあえず、修復しなきゃね。」

ラバストは首都ファラキアからは少し遠いものの道がしっかりと整備されていることとムルムルやビフロンスの軍の協力もあり、予定通り完成した。

巨大要塞線 ラバスレルドガが完成したこともあり以前よりも落とせなくなるそんな感じになっていた。

12地方全ての境界線に壁が建設され、東西南北1つの入口出口しかなく集まりつつあった部族も驚くほどに発展を遂げていた。


「すべてまるごと要塞戦にすることで敵は攻めにくく味方は守りやすい感じになりました。これは皆さんのおかげと子供たちのおかげでもあります。いつラインテルン公国戦争になってもいいよう準備はしっかりとしておきましょう。」


「はっ!! 我ら全部族一丸となって帝国と帝国国民を守ってゆきます。」


「完成式典はここまで サレオスが戻ってくるはずですから。」


「サソリ軍、コックローチ軍、タランチュラ軍は全軍のサポート アンデッド軍は東西南北の門と要塞戦で防衛しつつ敵の動きを監視 夜襲を仕掛けてくるかもしれませんしね。」


「了解致しました。全軍合わせて100万のアンデッドを各要塞線に配備しておきます。」



「サソリ軍は西を コックローチ軍は北を タランチュラ軍は南に入ってください。」

それぞれの要塞線と持ち場につけ終えた頃に来客者が訪れた。

ちなみにソロモン72位は12地方のそれぞれ要塞線の総司令官を務めながら行政官庁のトップとして頑張っております。

またまた余談でした。


来客者はファイアーウルフ族とブリザードウルフ族、黒雷狼人族トニトルスヴォルフぞくの3つはそれぞれベルゼブブに会うためにそして臣下になりに来た部族だった。それだけではなくもうすぐ

ラノス族、白雷狼人族ケラヴノスヴォルフぞく、獣人族、ラマ族、‎イルミンスール族、天使族も集まってくるということだった。


「天使族… まさか… 」


「どうしたの? ルシファー?」


「天使族は人間族に騙され、魔法を教えた後に滅ぼされたと聞いていましたが本当に来るのですか?」


「えぇ、来ますとも。ほら」

上空を見上げると羽が生えた天使族がいた。天使族族長のガブリエルその妻であるミカエルの2人はベルゼブブに頭を下げた。


「初めまして私共は天使族 その族長をやっております。ガブリエルです。その妻のミカエルでございます。」


「初めまして 私はこのサントゥクスナ・パラディース・アールデン帝国皇帝 ベルゼブブと申します。」


「我々、天使族は人間族に騙され、魔法を教え医学や農業法などを教えましたが最後には皆殺しにあい唯一我ら4人が生き残りました。」

ウリエル、ラファエルの2人合わせてたったの4人で人間族から隠れながら暮らしていた。


「我々、帝国はどの部族に対しても平等に支配地域つまり都市を作ってもらったりあるいは併合と言った形で領土を均等に持ち合わせるようにしてます。」


「この壁は今、戦っているラインテルン公国とその連合軍との戦いに備え作ったものになります。もちろん、拡張出来るようなになってます。」


「これがまさしく聖域 それを犯そうなどとは… なんと野蛮な。」


「はい、野蛮だと思いますがここには人間族も多く暮らしています。元々、彼らの土地を支配し国家を作った際、彼らは死にそうでした。そんな彼らを我々は保護し子供たちも保護し多民族国家としてこの国を繁栄させたいです。それが嫌なら嫌でいいです。ですが、国内を良くするのは対立ではなく協調なのです。」


「分かりました。我々もそれに従い臣下になろうと思います。」


「分かりました。他の方もそれでいいですね。」


「はい!! 」

いつの間にか半獣族、半魔族までもがここに集まってきていた。

ここからが本番であり本編の序章に過ぎない。


「とりあえず、ラインテルン公国軍との戦争でラインテルンを滅ぼします。同盟国の領土はどれくらいですか?」


「はい、ラインテルンは首都ラッセンベルクとラノミノとフラハンの3つですね。同盟国のパコルト、フェラントリア、プロリアストはそれぞれ首都のコルト、フェラハン、プロリス、ノアトリア、ターニャル、デーランドの2つの国なので全部滅ぼしても9地方手に入ることができ、グロリア帝国と同規模になります。」


「じゃあ、全部頂くとしますか?」


「異議はありません。」

ファイアーウルフ族とブリザードウルフ族はパコルトを

黒雷狼人族トニトルスヴォルフぞくとラノス族はフェラントリア

白雷狼人族ケラヴノスヴォルフぞく、獣人族、ラマ族、‎イルミンスール族、天使族はプロリアストをそれぞれ攻撃する別道軍として動くことになった。


「弱者への攻撃は軍法として禁止しています。皇帝の勅令なので厳守をお願いします。」


「我々は帝国軍の一部になったのだ。皇帝の勅令を守らんことは我々のメンツとしてプライドとしてそれだけは死んでもやらないので大丈夫です。」


「よろしいですね。」

作戦としてはこうだ。まず、ラインテルン公国軍と同盟国軍を要塞線に釘付けにさせておいて手薄になる首都や都市を占拠していく作戦。

ちなみに某有名な戦略ゲームでも1プロビ1都市と言う感じになっているのでこの作品もそうなっている。


「くっくっく 敵がもうすぐ川を超えて要塞線南側に陣を張りますよ。」


「タランチュラ軍に攻撃させて敵を釘付けにさせよう。私もあれやりたいしね。」


「くっくっく 敵の暗殺隊長は私がやっておきましょう。」

サレオスが去り、ベルゼブブは要塞線の上に影を放った。


「影とはドッペルゲンガーという魔法で初歩的な魔法ながらも敵を撹乱させるのには丁度いいから相手はどういう風に動くかを観察しなきゃね。」


「まぁ、主教は作戦を予想しているかもしくは…」


「なるほど 兵糧攻めね。うちの国では農業が発達してないことを見越してるのか想像してるのかは知らんけど舐められたもんだな。」

帝国の食糧は領土にある畑や都市国家や自治都市との併合の際、飢饉や日照り対策で蓄えていた食糧もあり、また、国土の8割を木でおおわれているため、畑があまりなく食糧も輸入してると踏んでいたのである。


「まぁ、タランチュラ軍によって左翼一部部隊が撤退したらしいよ。相当士気下がってるだろうし。」


「森の中には虫が沢山いるしその子たちを使ってユグドラシル全体の昆虫を眷属にしてるからそのうち昆虫軍も編入するしね。」


「それは凄いな。」


「あとはサレオス頼んだよ。」

サレオスは敵の暗殺隊長であるエレソンと接敵 相手を剣で斬りつける。

しかし、間一髪のところで受け止められてしまうが相手はもう動けないでいた。


「まさか… あの一瞬で… グッ…ベェファ」

剣に仕込まれていた寄生虫が手の僅かなかすり傷から体内に侵入されてしまい、脳まで侵されてしまったことで敵はベルゼブブの操り人形となり、ラインテルン公国軍を攻撃し始めた。


「くっくっく 神官式剣術使いをラインテルン公国軍が陣を張る山の中に送りました。」


「ご苦労さま 案外、あっさりと」


「くっくっく 影を攻撃してる隙に脇を少し切りつけたまでのことです。」


「敵軍は大いに混乱してるだろうな。サソリも送り込んだし、タランチュラも送り込んだから身動きも取れないはず。」

数で押し切るなんて時代遅れと言ってるような戦法

ラインテルン公国軍は山城を築いており、そこで戦うことになった。


「いつの間にか形勢は逆転 左翼右翼ともに敵方の攻撃により一部隊が退くなどやられております。」


「山城に入り兵力の集結を急がせろ。魔法防壁を張っていて敵の攻撃を防ぎつつ撤退 城で作戦を練るぞ。」


「はっ!! 」

伝令兵が各軍に伝えている間、大公は主教と大魔導士長を呼び、敵の総大将を討ちとる提言を求めた。


「敵方の総大将はベルゼブブ。神様と同等もしくはそれ以上の魔力を持つ者です。勝つとしたら偽の講和を切り出し、全魔導師総出での攻撃で跡形もなく消し去ってしまうのが良いかと」


「うむ。主教としてそれがいい。エレソンが敵方の本拠地に乗り込めたら… 」

ドアが開きそこにはエレソンが立っておりもう完全に寄生虫に支配されているため、主教の言葉など聞こえるはずもなく… 攻撃し始めた。


「貴様、なにをしている!! 」


「カタカタカタカタカタカタ」

まともに話すことも出来ず、口からは大量の血が出ていてその血から小さな寄生虫がウヨウヨと動き始め、主教たちを襲い始めた。


「くっそ!! やられたか。火槍ファイアーランス

燃やしてもウヨウヨと寄生虫は出て来て最後に大量の寄生虫がエレソンの身体から飛び出してきたのである。


「くっ この数押し切られるぞ。大魔導師長!!」


「分かっている。風雷散弾銃アネモストニトルスショットガン

風に雷を纏わせた玉があらゆるところに飛び散り散弾銃のように敵を吹き飛ばしながらも雷で焼き殺す魔法を使ったにもかかわらず数が減らすどんどん増えてゆく。

周りにいた衛兵や魔導師たちが寄生され、それらが主教たちの方に向かってやってきておりいくら大魔導師長と主教でもこの数を抑えるのは無理だった。


「降伏じゃああああ 降伏するからもうやめてくれー」

その叫び声がベルゼブブに伝令され、寄生虫はひとかたまりとなり、主教たちを取り囲んこだ形でベルゼブブがやってくるのを待つことになった。


「もう降伏じゃあ… 領土も国民も奴隷も貴族もあげよう。だから、子供と妻の命だけは!!」


「別に命取るつもりなんてないよ。そんな価値もないりお飾りの大公さん。」

ラインテルン公国の大公は主教と大魔導師長によって実権が握られており決裁と法律や条約を締結する際だけ大公が行う。

それ以外は主教と大魔導師長の独裁政治であったことはサレオスが調査していたため分かっていた。


「講和条約としては大公の地位の廃位と全ての領土の割譲、アルゴール総教会の取り壊し及び禁教し、信徒を全て解放することと前の講和条約の際、戦争賠償金と今回の戦争賠償金合わせて全貴族の資産を没収、そして同盟国の領土全て割譲とすることで同意することかな。あとはその2人についての処分もっていうことでこの戦争は終わりだよ。」


「そんな… 不当な講和など国際的に認められるはずが…」

目の前にばらまかれた書類には国家予算の不正流用と主教の不正、子供に対する性的な暴行に関しての資料などなど


「不当でもなんだろうとお前とそこは極刑になることを理解しておくんだな。子供をおもちゃのように扱う人間など死んで当然。」


「有力貴族は猛反発するでしょうな。ベルゼブブ様」


「反発したところで勝てないから不正蓄財を素直に納めてくれるだろうね。」

帝国側の勝利とラインテルン公国及び同盟国のパコルト、フェラントリア、プロリアストが負け講和によって滅んだことは世界中に衝撃を与える結果となり、かなり順調に領土を拡張したこともあってか国民も一気に10万人を超えるまでになった。

そして帝国として内政に取り組んでゆくこととなる。







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