最初の注文

紅乃は最初から着物を着ていた。けどなぜ調達しなければならないのだろう。

「あのさ、あるからいいじゃんか、それに金かかるし。」

「これ、ぼろきれをつなぎ合わせて着てるの、昔から着てたんだけど新しくしてもらうかなって。」

裏地を見せてくれた。確かに買い時だな。

「何年着てるの。」

少しだけ戸惑ってた。

「あの驚かないでね。てか、計算めんどくさ。…およそ1世紀。」

「とんだ年寄りだな。」

「うるさい。はいそうですよ。とんだ年寄りですよ。あ、あと説明書に書いていないけど…私の肋骨と肩絶対に見ないでよ。」

「誰が見るかいな。」

そんなこんなで目的地に着いた。紅乃は見た目は二十歳だから少しどんな風になるのか気にはなる。

…2時間経った。

「ねえ楽郎、どっちがいいと思う。」

個人的には却下したいけど。それより高いのを買われると、金が飛ぶ。

「なんでもいいよ。」

「じゃあ両方。」

買う物が決まったので、金を紅乃に渡して待っていた。

「何で買ってきてよ面倒くさい。」

「これ以上恥をかけというのか。」

普通に考えろ。女物の服だろう。うん何とかいいくるめよう。

「これも社会勉強だぞ。」

「私ベースだから必要ない。」

「人間だろうが。」

「ベースだよ。名前呼んでくれたなら。」

「他のベース買って売ろっかな。」

「それは嫌。……。」

何故か明るい感じが暗くなる。

「そうしないから買ってこい。」

そうして何とか言いくるめられたが暗くなったのは何故だ。


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