第22話 風呂っていいよね

肝試しも終了したので温泉タイムである。

男湯・女湯があり、それぞれに露天風呂がある。それとは別に家族風呂も備わっていた。

男女別れてのリラックスタイム。

露天風呂につかりながら本日の反省会を行う。


「僕は別に反省する事はないな。海水浴もBBQも肝試しも楽しかったよ」

「違うぞ月宮。みんな楽しかったのは一緒だ。問題は楽しかっただけで、女の子と恋仲に進展しなかったことだ」


いや、進展するわけないよね。


「みんなそんなつもりで参加している人はいないんじゃないかな。合コンじゃないし。純粋に楽しみにきたんだから」


本田君くらいじゃないのかな。


「まぁ、イベントは今回が第1回だが、今後は第2・3回と続く予定だ。次からはもっとロマンスあふれる催しにしよう」


ロマンスは絶対に溢れないと思う。

風呂の中で体をよくほぐして僕は早々に風呂をでた。

入浴後はみんなで集まってトランプをする。しかし、イベント盛りだくさんだった事もあり、眠気を催して離脱者が続出する。

今日はもう寝ようの言葉に反対が誰も出ないまま解散となった。

部屋に戻ると本田君と神崎君は速攻で就寝。僕と津山君で少し話をしていたが彼も床についた。

あまり眠気がなかった僕はもう一度温泉に入ることにする。さっき入れなかった家族風呂に入ってみようかな。露天もあるって聞いたし。

風呂の支度をして家族風呂に向かう。風呂に向かう途中で里奈とすれ違った。男性陣は全員眠りについた事を話す。女性陣も今井さんと中川さんがすでに眠っているらしい。

里奈に露天風呂行ってくると告げて別れた。

家族風呂は少し狭いが、貸し切りだと気にならない。

体を流し露天風呂に浸かる。


”ああぁぁぁーーっ”


温泉に浸かると声が出ちゃうよね。湯船で伸びをしながら手足を思いっきり伸ばす。


「気持ちいいなー」


夜空に輝く星を見ながらのんびり湯につかる。最高じゃないか。

星空を眺めながらボーっとしていると露天風呂のドアが開く音が聞こえた。

あれ、部屋にいないぼくに気がついて誰かきたのかな?


「忍、1人?」


ドアの向こうから里奈が顔を出した。


「うん、どうしたの?」


次の瞬間僕の息が止まる。

里奈がタオル1枚を体に巻いた姿で露天風呂に入ってきたのだ。


「私も露天風呂にまた入りたくなったんだ。背中流してあげる」 


里奈はかけ湯をしてこちらに来た。

僕がつかっている露天風呂は石を組んでできており、風呂のわきには立て看板で


”風呂にタオルを入れないでください”


と書いてあった。なので僕のタオルは風呂の外。少し濁っている温泉の中は何もつけていないのである。

僕の横で足からゆっくり風呂に入る。タオル入れるなの看板をみた里奈は纏っていたタオルをはずして湯船につかった。

僕の横50センチに裸の里奈がいる。お湯は濁り湯で、一応は隠してるつもりなんだろうけど、そんだけ近ければ丸見えだよ。

大きく立派で形のいいおっぱい。おっぱいの先にはピンク色の……。


「ん、どうしたの?ひょっとして恥ずかしい?」

「ものすっごく恥ずかしい。すぐ横に里奈の綺麗な体があるって意識すると恥ずかしい」

「綺麗?ありがとう」

「あと、一応言っておくけど丸見えだよ」


濁り湯のせいで見られてると気づいていなかったのか慌てて腕で胸を隠した。下は見えないのでセーフだ。


「忘れなさい。いいね、忍は何も見てない」

「うん、里奈の裸なんて見てない。柔らかそうで白くすべすべの肌なんてみてない」


見てるじゃない!とお湯をバシャんと掛けられた。ふぅ、とりあえず恥ずかしさを誤魔化すために星空を見上げる。


「ほら、星空がすごいんだよ。やっぱり田舎のほうで見る夜空はすごいね」


空を見上げながら話す。ちくしょうやっぱりドキドキだよ。


「本当だ。すごく綺麗。星の数がもの凄いねぇ。キラキラ瞬いてる」

「……」

「……」


会話が続かない。


「背中流してあげるよ。私、その為に来たんだから。洗い場行こうか」


里奈がタオルを広げ立ち上がった。里奈はちょっと無防備だと思う。立ち上がる際に上から下まではっきり見えたよ。そのせいで立ち上がれない。勃ちあがってるので立ち上がれない。


「ほら、来て」


里奈は手を伸ばしてくる。


「ん」


しょうがない。里奈の手をとり立ち上がる。タオル越しならわからない?いや、わかるに決まってるだろう。


「あ、ゴメン。里奈があんまりにも綺麗だから反応しちゃった」


僕をみてちょっと驚いたようだけど、


「いいよ、男の子はそれが自然なんでしょ。恥ずかしがらないでいい。私と忍の仲じゃない」


ネットのエロサイトやAVと違って、知り合いの女の子の裸のほうが何倍も興奮するんだが。鼻血でるかも。


「さ、イスに座って。もう、お互いの裸を見てるんだからタオルとっちゃうよ」


僕の股間にのせてあったタオルを取られる。鏡越しに見る里奈もタオルを巻いていない。

タオルにボディソープをつけて僕の体を洗ってくれる。気持ちいい。主に精神的に。

浴室のオレンジ色の電球の下で、裸の里奈が僕の体を洗ってくれている。里奈の体から目が離せない。おまけに僕の下半身が爆発しそうで辛い。


「忍?あんまりガン見されると恥ずかしいんだけど。それと、その……そんなになって痛くないの?」


里奈の視線は僕の股間に釘付けである。


「痛くはないけど、里奈とのシチュエーションに……その、もの凄く反応している」

「あまり気にしないで。私も知識として知ってるから。男の人は女性の体に反応しちゃうって。それに私も体を見られて反応なしだったらさすがに自信なくすよ」


後ろから手を回しお腹を洗ってる時に、里奈の大きい胸が僕の背中に当たる。


「忍の腹筋ってすごいよね。ちょっと触っていい?」


里奈は手のひらで腹筋を撫でまわしだす。ああぁぁぁぁ、背中が気持ちイイ。我慢我慢だ。


「じゃぁ、今度は僕が里奈の背中流してあげる」


これだけ見られればもう何も怖くない。

今度は里奈をイスに座らせて僕が背中を流す。


「女の子ってタオルでゴシゴシすると肌が傷つくの?手で洗ったほうがいい?」


僕が持っているタオルは繊維が固いので女の子の肌にはよくないかも。


「うん、手でお願いしようかな」


ボディソープを手に取り泡立てる。肩から背中にかけてゆっくりさする。円を描くようにゆっくりといやらしく、って違う。ゆっくりと優しくだ。

手のひら全体に神経を集中させて里奈の肌を堪能する。

背中から腰へ。そしてするっと腰からお腹に手を回す。お腹を優しく洗う。このまま腕を持ちあげちゃうか?お胸も洗っちゃうか?

徐々に手のひらを胸のほうへ。下乳辺りをさする。柔らかい、すごく柔らかい。そして一気に胸全体を洗う。

……洗う。洗う?

下乳から次のステップに移ろうした瞬間に里奈の手が僕の手を止める。


「はーい、それ以上はダメでーす」


えー、ここまできてそれはない。つらい、つらすぎる。


「あとは自分でするからね。他の人だったら肌すら見せたくないのに、忍だからここまでサービスしたんだからね」


くぅ~。僕はきっと泣きそうな顔をしていたに違いない。


「ほら、そんな顔してないで露天風呂に入ろうよ」


ショックで動けない僕の手をとり露天風呂に向かった。

風呂につかり、2人で星空を見上げる。

が、すぐに里奈の手をとり引き寄せる。そのまま里奈を膝の上にのせた。

里奈はそのことには何も言わず、星空を見つめながらキラキラに感動している。


「たしかにキレイな星空だね見惚れるし感動もする。でもね、綺麗な里奈がそばにいるだけですごくドキドキするんだ。いつも一緒にいるけど雰囲気が違うからいつもとは全然違く感じる」


里奈のお腹の前に手を回す。ちょうど後ろから抱きしめている形だ。


「忍は私にやられちゃったの?」

「ああ、派手にやられたよ」

「ふーん。私じゃなくて雰囲気にやられたんじゃないの?」

「雰囲気もあるとは思う。でも里奈にやられたほうが大きいよ」

「ならよし!」


私、先に出ると里奈は風呂から出て行ってしまった。

突然来て突然いなくなったなぁ。

僕の体をこんなに臨戦態勢にさせておいてさ。

僕はその後、30分かけて滾りを解消して部屋に戻った。

布団に入るとすぐに睡魔が襲ってくる。

里奈との出来事で、楽しかった思い出が最高の思い出になった。

ビバ、おっぱい!


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