家族紹介B



上の兄Bを紹介する。



Aと比べ、BとCは情報は少ない。あまりやり取りをしない事に加え、特にBは寡黙である。


やや、自分の興味のある分野においては話したがりだ。自分の意見を押し通したい性質が見え隠れするものの、そういった分野はとても話している。


反して、私の様に自分の人生に疑問を持つ種をもらうキッカケがなかったのだろう。Bはあまり、自分の人生に頓着がない様に見えてしまう。



Bが小学生の頃、何かがキッカケで不登校になった。


優しい母は、Bが行きたくないと言ったのであれば、とBを学校へ行かせなかった。代理ミュンヒハウゼン症候群の様なものだと認識しているが。そこから、経緯は不明だが、地元の小学校からそのまま地元の中学へ入学させるのは不憫だと感じたのだろうか。恐らくは異なると思うが、ともかく、BもAが通った塾へ行く事となった。



先にBは、スケープゴートと述べたが、小学生当時のBに関しては、私が実際に見てきたわけではないためこのタイプは異なると考えてもらいたい。


Bは比較的、AとCよりも優秀だったのか、塾でも良い成績を収めていた様だ。しかし、応用問題は正解できるものの基礎問題は間違えるという、引っ掛かりを覚えるミスが多かった。


しかし、そんなBもAと同じく母が望んだ中学へ行く事は出来ず、Aと同じ中学へ進学した。Aに反し、Bは寡黙だが好きな事だけは異様に話す人。AとBが姉弟だと知っているものは殆どいなかった。先生すらも認識していなかった位だ。




Bが楽しく学生生活を送れたのかは定かでないが、特に何か問題を起こす事もなかった様な気がする。


ただ、Bは高校に上がった頃からスケープゴートとしての役割を担いだした。


日常茶飯事な行為は、家の破壊。壁や扉、フライパンや皿やマグカップ、ゲーム機に諸々。気に食わなければ即物に破壊衝動をぶちまける。


Bは恐らくAとCを見下していた。その為か知らないが、私にはしない事も平気でしている。


Cが行っていたゲーム機を壊す事は当たり前、Aが何か言ったら、その瞬間に手に持っていた物をAに向かって投げる。


フライパンだった時はまだ熱くもなかったので良いが、ハサミを投げたと聞いた時は流石に末恐ろしいものがある。



取り分け、私でも覚えている事は、Bの大学受験の話になった時だ。


比較的優秀といっても、取り立てて学内で優秀というわけでなく家族内での話である。Bは、それでもある程度のプライドを持っており、国内最難関校を志望校にしていた。


受験間近、願書を出す段になり、成績から見ても志望校は厳しい。それならば、もう少しランクを下げてもいいのでは?という話に父母とBの間でなった。



Bは、悔しかったのかもしれない。私が直接見ていた訳ではない為、推測でしかないが、実際の実力との乖離、或いは努力した結果が出せない無念、もしかすると父母の事だ、何かしらの地雷となる言葉を言った可能性も高い。ともかく、Bは多くを語らない上に、この話も割とタブー視されてしまったせいで話に上がる事すらないが、Bは自傷行為にでた。


中々の大怪我で、受験どころの話ではない。一番恐ろしかったのは、Bが痛覚がないかの様にその怪我を見せてきた事だ。もちろん、Bも痛くない訳ではないだろうし、嫌がらせで見せてきた訳ではない、ただただこのまま受験をするには差し支えがありそうだ、と判断した末に病院へ連れて行ってくれ、という意味で見せてきた。


あの時の怪我は、10年以上経った今でも思い出すだけゾワゾワと、何かが背中を走る感覚に襲われる。




そんなBも、大学へ進学。


Aとは異なり、上京した。夢の一人暮らし。Bは、オタク趣味な所がある。


一般的な所でいうと、漫画などが分かりやすいかもしれない。漫画の発売日が、発売日通りに店に出るのは都会だけ。田舎は、二〜三日遅れは当然と思わなければならない。


といっても、大抵の人は受けれいているだろうが、前述した事から分かる様に、Bは少々抑えがきかないタイプである。その為、上京先では発売日通りに入手できる事が非常に嬉しかったようだ。



Bが在学中、引越しの手伝いも含め4回家へ伺ったが、入居時以外は部屋は散散たる有様だった。


そもそも、掃除や整理整頓という概念がないのか、ありとあらゆる物が自由自在に存在していた。


それでも、その部屋だけはBの城。


特に個人としては文句をいう事もなかったのだが、母がキレていた。別に他者から借金をしたり、父母からのお金を使ったりしているわけではなく、奨学金という未来の自分から借りたお金で好きに生きていただけなB。しかし、使い方や使った先が母の意に反したらしい。


ある意味、母の意に反していると自覚がありながら、母の目に止まる場所に置いているBは、本当にスケープゴートとも言える。



Bは、Aと異なり遠く離れた地にいた。その為、就職活動における圧迫はなく、彼を急き立てる何かもなかった為に、Bは一社も受ける事なくUターンしてきた。


母からすると、わざわざ都会に出すという投資をしたにも関わらず、仕事もなく、自分が見たくもない趣味を持つBは大変汚らわしく映ったのだろう。


Bも、特に何かを言う訳ではない性格が助長させてしまった。


母は、Bを悪く言うのはとまらず、同様に父もとまらない。しかし、父はまだBの可能性を信じており、公務員試験であれば可能性があるといって、年齢制限の歳まで強制的に受けさせていた。




当時の私も非道だった、今振り返るとそう強く思う。Bの気持ちや境遇などを考える事なく、就活をせず実家へ戻ってきた挙句、働くそぶりを見せない、その面だけでBを判断していた。ある意味、家での生き残りをかけて戦っていたが故だとはいえ。



BもBなりに、何か思う事があったのだろう。家に帰ってきてから一、二年後のある日、家の近くのコンビニでアルバイトを始めた。正直、なぜアルバイトを?とは思った。けれど、Bの人生が私に何か影響を及ぼす訳でもないのだからきにする必要もないと、特に何かが変わる事はなかった。


Bは時間に余裕もあるため、かなりのシフトを入っていたようだ。何だか学生時代に見た姿よりも楽しそうに思える。


しかし、数年後、母が突然、そろそろ公務員試験に専念するべく、バイトは辞めろと言い出した。当時、Bは既に成人し一般的に言えば自立している年。フリーターとはいえ、母の言う通りにせずとも構わないものだが、二十数年間培った母の影響力は伊達ではない。Bは、バイトを辞めた。かといって、専念しろと言われたからといえど、元々やる気のない試験勉強に身が入る訳もなく。そのまま、数年間が過ぎる。



Bがやりたいといった事があった。それを母は、何のためにやるのか、とそんな事に使うお金があるのであれば我が家に入れろ。そのやりとりを繰り返し、Bはやっと母がおかしいのだと気付いたようだ。



まともに話そうとしても、取り合う事のなかったBが、普通の会話をしようとしてくれるようになったのはここ二、三年。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る