終章の終わり、そして始まり

 連合国の『永劫の塔』防衛部隊、その指揮所はパニックになりかかっていた。

「前線は崩壊、兵士の潰走を抑えられません!」

「西からも突撃を受けました! 対応のご指示を!」

「部隊は分断され、連絡線が崩壊しております!」

「バントー閣下は? 閣下はいずこに!」

 通常戦力では対抗あたわず。将軍は決断した。

異神ペイガン・ゴッドを出せ!」

「しかし、バントー閣下がご不在です!」

「我々にとて扱えるはずだ! そのために制御士も養成してきたのだろうが!」

 

 風は火を増し、火は風を呼ぶ。

 紅蓮と蒼天は一歩も引かず、焔の竜巻には中心がふたつ。

 高熱で大気は電離し、オゾンの匂いが戦場に広がる。兵士はもちろん、巫女騎士メイデンナイトたちも地に伏せて退避していた。

「ある意味、相性はいいんだけど…… いい加減にしてほしい」

 銀嶺が呟いたそのとき、焔の嵐がいきなり吹き消された。

草薙くさなぎ!」「異神ペイガン・ゴッド!」

 紅蓮と蒼天が叫ぶ。

 倭建命が迫ってくる。

 秋津洲系異神ペイガン・ゴッド『倭建命』の振るう草薙の剣は、風を退かせ焔を吹き消す。さきほどまで戦場に荒れ狂っていた焔の嵐はその剣圧で霧散してしまった。

「全員、下がりなさい! わたしが借りを返します!」

 紅蓮が大鎌を振り上げる。が、新米巫女騎士メイデンナイトたちは倭建命の神威にあって金縛りとなり、動くことができない。

 倭建命は閉じていた目を開いた。爬虫類のような目がサザンカをにらみすくめる。異神ペイガン・ゴッドは草薙を振り上げた。

「ち!」

 蒼天が跳んでサザンカを突き飛ばす。かすめた剣圧に蒼天は転がされた。

 紺碧の巫女騎士メイデンナイトが歩み出る。

「言ったろ。四人の力を見せてあげようじゃないか」

 紺碧は蛇矛を天に掲げた。

「む……」

 マビノギオンが水色に輝く。蛇矛から霧が生まれ、空が急速に曇っていく。

「次!」

「分かりましてよ!」

 体勢を立て直した蒼天が刀を天にかざす。刀は旋風を呼び、大気を動かす。強い下降気流と共に積乱雲が発生した。マビノギオンは蒼く輝く。

 倭建命は、人には聞こえない声で叫んだ。神威にあって、周辺の人も物も吹き飛んでいく。宙を舞う。

 銀嶺は大地に錫杖を突き刺した。

「わたしの番ね!」

 錫杖から根が伸びていくかのごとく、大地に力が注ぎ込まれていく。倭建命を頂点に、大地が盛り上がった。高く、大きく。山のごとく。

 そこへ弾丸のように雹が降り注ぐ。積乱雲から発生した、人の頭ほどもある雹だ。倭建命はうなり声を上げて草薙を振り回す。しかし雹は切られてもその破片が倭建命を襲う。積もった雹で足元から固められていく。

 倭建命は叫ぶが、その神威に雹は応えようとしなかった。

「倭建命は山にて霧に迷い、雹に襲われて命数が尽きる。お姉様が! 教えてくれました!」

 紅蓮の巫女騎士メイデンナイト、兇刃のミナカが災厄の杖レーヴァテインを振り上げた。

 全身を雹に固められ、立ち尽くす倭建命を焔の刃が切る。切り裂く。粉砕する。

「オオオオオオオオオ!」

 倭建命の体から言霊があふれ出した。体はページのように一枚一枚とめくれ上がり、膨らみ、そして縮んでいく。やがて再びページが閉じたとき、そこにはやせ衰えた哀れな白い鳥の遺体が残されていた。倭建命の物語は終わったのだ。

 ミナカは大地に膝を着き、お姉様に感謝を捧げる。

異神ペイガン・ゴッドは、本来違う系統の物語に属するものなの。それを万塔が朔月テイアに連れてきた。系統が違うからこちらの物語でのことわりは通用しないけれど、それゆえに本来の理から逃れることはできないのよ』

 それが綾からの伝言だった。

 銀嶺の巫女騎士メイデンナイトはサザンカら新米巫女騎士メイデンナイトを集合させ、ほっと一息だった。とりあえず喧嘩も終わったらしい。

 目の前にそびえ立ち、天まで貫き通しているあの呪縛の塔。連合国の象徴。次は、あの塔を打倒する。


 綾は虚空の中にあった。

 前もなく後ろもなく、左右も上下もない。時は過ぎず戻らず、変わることはない。

 光も闇もなかりせば、ただあるのは綾という存在のみ。

 一切の対象がないのであれば、その綾とて存在するといえるのであろうか。

 塔の中、狭間に呪縛された領域にあって、綾はゲームを作り上げ、それを瑞希に受け取ってもらえた。

 十年の間、綾がいたのは人界を呪うことによって生じた影の領域、ケイオスループ社の影。それが消えてしまったのは、人界のケイオスループ社が呪縛から解き放たれたからだ。瑞希はうまくやってくれた。

 影の領域が失われた後、そこにはただ空虚な狭間の領域が残った。

 変化することなき狭間の領域とは、すなわち虚無である。虚無にあっては、すべてが虚無に飲み込まれる。

 しかし、綾は在った。文原綾はそこにいた。

 変化がそこにあったからだ。

 語っていたからだ。

 創造がなされていたからだ。

〈もはや阻む力とてなく 塔には月の巫女ルナルメイデンの先陣が取り付いた〉

〈連合国の支配者は信じていた 塔は偉大なる支配の力を持つと〉

月の巫女ルナルメイデンは信じていた 塔の呪縛は世界を滅ぼすと〉

〈少女は知っていた 塔に待つ者がいると〉

〈塔に進入せし月の巫女ルナルメイデンは 呪縛された影の領域に迷う〉

〈守らんとする連合国の兵士は 狭間に落ちて消える〉

〈影を破り 時を抜き 少女は塔を登る〉

〈狭間の闇を打ち倒し 自らの命を燃やし〉

〈私を迎えるために〉

〈少女は来る〉

〈滅びを越え 死を越え 世界を超えて〉

〈愛する者は来る〉

〈二度と失わないために 取り戻すために――〉

 綾は知った。ときは来た。

〈――光よ 在れ!〉

 扉が開く。虚空に光があふれる。

 ミナカが飛び込んできた。

 綾とミナカの間に世界が生じる。二人の間に世界がある。ここはもう虚空ではなかった。

「お姉様…… もう永遠に会えないかと……」

 綾はミナカを抱き止め、ミナカは綾を抱き締める。

「取り戻した……」

「もう二度と、離さない」

 なんと柔らかいのだろう。なんと暖かいのだろう。

 綾は告げる。

「私はアヤ、そして文原綾。この世界にミナカの心が刻んだ妖精王の影、それが火焔のアヤ。還る場所を失い、取替えっ子として人界にひとり遺された、それが文原綾」

「お姉様、お姉様、お還りなさい……」

 ミナカが綾を抱く腕に力がこもる。

「ただいま、ミナカ……」

 体を、頬を、瞳を、肌を確かめ合う。生きている。生きている!

「さあ還ろう! 妖精境へ!」

「ええ! お姉様」

「取り戻そう! ティターニアを」

 二人は手に手を取り合い、塔の部屋を駆け出していった。


 塔の最上部。

 建設が果てしなく続くこの塔では、最上階というものがはっきりしていなかった。

 骨組が露出し、屋上といえるような屋上もない。

 そこに万塔祀は待っていた。

 後ろに二人分の気配を感じる。振り向きもせず、ゆっくりと万塔は、

「人界の代わりに妖精境を犠牲にした、愚かなる妖精王」

 背後から武器を構える音と、それを制する動き。そして、

「私はアルバイトの文原綾ですよ」

 返事に万塔は苦く笑った。

「素質のある者を狭間に導けば効果的。それが妖精王だったとは、とんだ喜劇。かくのごとき筋書きを好む者、忌々しき吟遊詩人マビノグ、しかしかの者は狭間に消えたはず…… そうか、そういうことですか、あの者もまた帰還を」

 万塔は手を打つ。

「喜劇を演じるはこれにておしまい。あれを見よ、塔は狭間まで後わずか。お前たちに打つ手はなし」

 綾とミナカは見上げた。塔の上には空間の裂け目、狭間が浮かんでいる。狭間の向こうには全く別の世界が見える。そこに綾は、囚われた悠理の存在を感じた。

 ミナカは災厄の杖レーヴァテインを構えなおす。

「お姉様、千切りは縦と横のどちらがよろしいですか」

「ミナカ、待って。死をもって万塔を倒すことはできない」

 万塔はただ一人。護衛はいなかった。必要がないからだ。

「正解。常若の国の住人たる万塔には始まりなく終わりなし。その幸福を、人界に、朔月テイアに、お前たちにもくれてやろうというのです。感謝するがいい」

〈バビロニア系異神ペイガン・ゴッド『バベルの塔』〉

〈伸びよ 築けよ ひとつに至れ〉

 万塔の言霊で、塔は身じろぎした。

 人界から始まり、朔月テイアを貫き、狭間へと至ろうとするこの永劫なる呪縛の塔は、それ自体が生きた神話、異神ペイガン・ゴッド

 塔は震え、ねじれながら高さを増していく。狭間へと迫る。

「お姉様! この異神ペイガン・ゴッドはどうやれば終わるんです!」

 ミナカの叫びに、万塔が、

「神の雷? 地震? そんな破滅が欲しいのでしょう。しかし、塔の物語に終わりなどなし。ただ狭間へと至るのです。そのように万塔が書き上げたのですから」

 綾は問う。

「塔の物語を書いた…… あなたは物語る者、創る者クリエイターだ。それがなぜ世界を呪縛する」

 万塔は答える。

「これこそが祝福。世界が終わることこそ呪縛。お前は影の領域で十年間創り続けたのであろう。それは、幸せなときではなかったのか」

 そう、そこには創る喜びがあった。

「お前たちが愛してきた物語が終わりを迎えたとき、別離はつらく寂しいことではなかったのか」

 ミナカは綾の手を強く握り締めた。

 万塔は続ける。

「バベルの塔は、人が初めて創る者たらんとして、世界に名乗りを上げた物語。神のためではなく、誰かのためでもなく。己自身を表すために」

 それこそが創造であることを綾は知っていた。

「そしてあなたは、塔を終わらせることができなかった」

 万塔は後ろを振り向いた。万塔の顔にある目は三つ。額の中央にある魔眼が憤怒にたぎり、綾とミナカを圧する。

「否定。終わらせなかったのです。建て続ける喜び。終わらない幸せ。それを求めた塔は遂に狭間へと至った。祝福に至った。今再び、この新たなる塔が朔月テイアと人界を貫き通して狭間にまで至るとき、全ての世界は狭間に接続、狭間へと飲み込まれ、始まること終わることなき常若の国での幸福を授かる」

 万塔は仰ぎ見た。塔の最上部が狭間へと突入する。万塔の魔眼と狭間が光の線でつながる。魔眼が狭間を呼んでいるのだ。

「そして、今! 苦しみに満ちた世界の開放されるときが!」

 万塔は膝を着き、高く両腕を伸ばす。額以外の目からは涙が流れている。

「違う! 終わりが始まり、始まりの終わるときが来るんです!」

 それは悠理の声だった。狭間の彼方から、彼女の声が響き渡る。

 万塔は魔眼を大きく見開き、

「それほどまでに世界を終わらせたいのですか。青き大地の軌道はなぜ狭間へと向かっていたのか、それが分からぬのですか。原作者クリエイターが初めに創生をお詠いになったそのときから、青き大地は狭間への道を定められていたというのに。これこそ救済の運命」

「私には原作者という存在を感知できない。でも、もしも存在するのなら、きっと世界の枠外にいてずっと待っているんだ!」

「狭間に至るのをお待ちなのです!」

〈違う! 原作者は待っている! 常若の国に立ち向かう世界を! 物語を継ぐ者、語る者を!〉

 綾は言霊を発する。全身全霊をかけて、魂をこめて。

 ミナカも叫ぶ。綾も叫ぶ。世界は叫ぶ。世界を越えて、言霊が至る。

〈お姉様を!〉

〈ミナカを!〉

〈悠理を!〉

〈瑞希を!〉

〈人界で詠う彼らを! 朔月テイアで生きる我らを!〉

 悠理の声が響く。

〈新たなる物語の誕生を!〉

 悠理の声と共に、綾のネックレス、焔水晶が燃え上がる。焔からは思いが伝わってくる。月の巫女ルナルメイデンたちの、朔月テイアの人々の、そして悠理と瑞希の。

 焔水晶からは歌が広がっていく。『ラスト・ティターニア』をプレイしている人界の人々が詠う、物語の歌が。

「歌が届く!」

 狭間の向こうで砕け散るものがあった。永遠の停滞であるはずの領域から、柔らかな銀色の光が届き始める。歌声が一際大きく響き渡る。狭間を抜けて今、銀の月弓を掲げた者が降りてくる。悠理だ。狭間で彼女を捕えていたくびきが失われたのだ。その瞳は力強く銀色に輝き、その手には月弓がある。

「悠理!」「綾!」

 悠理は綾とミナカの側にふわりと降り立った。月弓は大きく、高く伸びていく。塔よりも高く、天にも至らんとする。それを綾が支える。ミナカが支える。悠理が支える。

 ミナカの手から災厄の杖レーヴァテインが離れる。災厄の杖レーヴァテインは一瞬震えるや、宙を飛んで月弓の巨大な銀矢と変じた。

 綾の焔水晶は矢を追って空に舞い、赤々と燃える焔の鏃と化して銀矢の先端に輝いた。

「これは……!」

 万塔は見た。世界中から集まった言霊が集束し、月弓の弦となる。弦は自らを引き絞る。

「これが……! これこそは見えない月!」

 万塔の瞳には、大いなる月弓が映っていた。透き通ったその半弧は、天に浮かぶ三日月の姿。

〈月の地に今 見えない月が昇る〉

 約束のときは来た。

〈我ら|銀の弾丸! 今こそ! 月光を解き放たん!〉

 光を尾に引いて、放たれた矢は銀の弾丸のごとく一直線に万塔の眼光を切り裂き、魔眼を貫いた。魔眼は爆散した。

 狭間の中、永遠の停滞、始まりも終わりもない領域。そこに光の中心が生じる。中心には月弓が在った。中心で光は爆発する。拡大する光は狭間の領域を超えた。|呪縛を払いのけ再生させていく。

 綾とミナカ、悠理は詠う。

〈頭上に蒼天 眼下に銀嶺〉

 天と大地が分かたれた。

〈紅蓮の太陽 紺碧の海〉

 命の源が生じた。

 停滞が終わる。静止していた事象は光に焼かれ、急速に朽ち果てて、中心から急拡大する世界に飲み込まれていく。塔は塵となって消滅し始めた。狭間の停滞を失い、時の流れが万塔の体を捕まえる。

 一気に朽ち果てていく体で万塔は、

「お…… お前たちとて…… 終わりからは…… 逃れられない…… 全ては…… 終わる……」

 声を合わせて、綾とミナカ、悠理は答える。

「そう、全ては終わる。始まりのために」

 万塔が塵となった後には、一枚の石版がただ残されていた。

 綾はその石版を抱え上げてそっと呟いた。

「あなたもまた、始まりへと続く」

 焔精イフリータが空へと飛翔する。悠理の歌声が響く。悠理が世界の再誕を詠っているのだ。妖精たちが集まり、共に詠う。

 青き光の下、緑の丘。ここは美しき妖精の国。

 新たなる妖精境ティターニアの物語が始まった。


 ここはケイオスループ社の開発ルーム。

 コンピュータのスピーカーから流れている曲は、帰ってきた綾の父による新曲第一弾だ。ラスト・ティターニアのテーマ曲として採用され、ネットでは早くも人気を呼びつつある。

「夏休みの終わりって哀しいですよね、ほんと。ずっとずっと続けばいいのに」

 アルバイトの悠理がぶつくさ文句を言っている。社員の直木先輩はたしなめるように、

「だったら、給料日もずっと来ないわね」

「それはひどいです、ねえ、綾」

 同意を求められて、同じくアルバイトの綾は苦笑する。いつの間にやら、悠理は転校生として塔之原高校にもぐりこんでいた。明日の始業日からは同じクラスだ。

「嫌なら、学校は辞めてずっとアルバイトしていればいいんじゃないの」

「……綾の意地悪さん」

 悠理がむくれた。

「そういえば、瑞希さん。最近はいらっしゃらないわね」

 直木先輩が話を変える。悠理は、

「邪魔だって言ったら、怒って国に帰っちゃいました」

「あら、そんなひどいこと言ったの」

 顔をしかめた直木先輩に、悠理は何食わぬ様子で、

「大丈夫。すぐ友達を連れて、戻ってきますってば。さびしんぼなんですよね」

 綾は直木先輩に頭を下げて、

「先輩、短い間ですけどお世話になりました。また機会があったらよろしくお願いします」

 直木先輩はため息をついた。

「体験版が世界中で評判になっちゃって早く製品を出せって大騒ぎなのに、貴重な戦力がいなくなっちゃうのは痛いわ…… 文原と悠理のこと、小林一佐も残念がってたのよ。そうそう、万塔クリエイターもね」

 朔月テイアには綾の影としてアヤがいたように、この世界にも万塔の影が残り、動き続けている。残像のようなもので、かつてはあれほど威圧感があったのに、この影は日に日に存在感を薄れさせていた。そのほうが仕事もうまく回るようになり、評価がますます高まっているのは皮肉な話だ。

 時計を見た綾は、慌てて椅子から立ち上がった。

「しまった、仕事の時間!」

「え? 仕事?」

 いぶかしむ直木先輩に、綾は疲れた声で、

「あの、ご飯を作ってあげたり、遊んであげたりとか、いろいろお話したりで大変なんです。すごく」

「あたしも一緒にいく約束でしたね」

 悠理も立ち上がる。綾は、

「かまわないとすねるし、怒るし、他にも大勢の面倒を見ないといけないのに困るんです。本当にもう大変なんですよ」

 直木先輩は不思議そうに、

「文原、なんですごくうれしそうな顔なの」

 綾の顔が真っ赤になる。硬直した綾の手を引っ張って悠理は、

「それじゃ、先輩、お疲れ様です! また今度!」

 綾も口をぱくぱくさせてなにか言っているが、よく聞こえない。

 二人はどたばたと飛び出していった。

 今日はもうアルバイトの最終日。名残惜しい。

 思えば二人が来てからこのケイオスループ社もすっかり変わったような気がする。

 人間離れした軽やかさ、美しさ。あふれる生命に煌き、皆に希望と力を与えてくれた。

 あたかも、この会社を祝福しに来てくれた存在のごとく――

 直木先輩は、二人のいなくなった後に向かって別れと再会への挨拶を送った。

「あなたたちへ。銀の弾丸あれかし」


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デスマーチ解決するならゲーム世界に行こう~月まで歩め~ モト @motoshimoda

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