第3話◇風が舞う

 くしゅんっ!


 大木が生い茂る公園をのんびり散歩中。


 見れば木陰で遊ぶこどもが二人。


 小枝、落ち葉、松ぼっくりなんかを集めている。


 小枝を地面に数本突き立てる


 高さはマチマチ


 立てた小枝の上部はYの字


 Yの字2つに別の小枝を横にして乗せる


 別の2つにまた乗せるまた乗せる


 横棒の上に別の小枝を並べる。


 屋根?


 並べた小枝の上には落ち葉を乗せる


 Yの字の長いものの先には松ぼっくりを刺す。


 小さな大工さんたちは再び材料集めにパタパタ歩き回る。


 片方のこどもが


 くしゅんっ!


 木陰は涼しい。


 ひんやりした空気。


 ざわり


 ぞくりとするような冷えた風が足元の笹を揺らす。


 あ~っ!!


 建築中の屋根の落ち葉が風に舞ってふわふわ飛んでいく。


 小さな大工さんたちは楽しそうに追いかける。


 屋根が飛んだのに楽しそう。


 とにかく風に舞う落ち葉を追いかける。


 つかまえた


 戻って来て屋根に乗せる。


 大事な屋根だったんだね。


 ニコニコしながら小さな大工さんの作業は続く。


 風邪ひかないでね。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る