第9回 たけしの戦国風雲児(FC)

 「たけしの~」と言えば「たけしの挑戦状」が有名ですが、私がハマったのはこちら。たけし軍団の方々をコマにして戦国の日本全国を巡るすごろくゲームです。最大四人でのプレイが可能。ゲームモードも日本縦断、仕官、大名、統一、商人ゲームの五つに加え、ゲーム中のミニゲームをプレイできるモードの合計六つが備えられています。


■ただのすごろくじゃない

 日本縦断ゲームはその名の通り、北海道から日本を縦断して鹿児島のたけし城を目指します。しかしその道中には様々なイベントがランダムで発生し、ある時は金を稼ぎ、ある時は山賊と戦い……そんなミニゲームや対戦をこなしつつゴールを狙います。

 しかし、たけし城に着いてもそれでゴールではなく、最後にゴルフゲームでホールインワンを決めなければ失敗し、日本のどこかへ飛ばされるという理不尽仕様。さすが殿、ただでは済ませてくれません(笑)


 仕官ゲーム、大名ゲーム、統一ゲームの三モードは連続で楽しむことができ、仕官ゲームでは浪人からスタートし、日本のどこかの城に仕官(就職)するのが目的になります。実を言うと私が初めて「仕官」と言う言葉を知ったのはこのゲームがきっかけです。他にも「暇をもらう(退職)」「賄賂を贈る」など、子供が知らなくてもいいような言葉をここから知ることになります。

 仕官するにもたけしの紹介状が必要になるため、またもやたけし城に向かう必要があります(今回はタダでもらえる)。それ以外にも仕官の道はありますが、(御前試合で勝つ、芸人として仕官するなど)基本的に難易度が高く、特定のお助けカードを用いないと無理と言えます。

 大名ゲームでは仕官状態からスタート。殿の命令を達成し、出世ポイントを稼ぎ、最終的に大名にまで上り詰めるのが目標となります。戦争の指揮を執ったり鉄砲の買い出しに行ったり、城を抜け出した姫を探し出したりとその命令も多岐に渡ります。

 統一ゲームでは大名からのスタート。殿として軍隊を率いて他の城を攻め落として全国統一を目指すゲームです。「武運長久祈願」をしてお札を持っていなくては攻め落とせないので一度恐山へ向かう必要があるなど、所々が細かいです。

 商人ゲームでは一定の金額を稼ぐのが目的になります。町で仕事するもよし、ミニゲームで金山で一山あてるもよし、山賊になって人から巻き上げるもよし、どんな手段を使ってでも金を集めれば勝ちです。


■難易度MAX

 このゲームの恐ろしい所は「攻略本がないとクリア不能」と言う点。この辺がたけしシリーズらしいです(笑)

 基本的にカードの説明が書いていないので使いどころの分からないカードが山の様にあります。それどころか特定状況で勝手に消費されてしまうカードもあります。おまけに特定の場面で特定のコマンドを打ち込むことで起きるイベントがあるなど、とにかく隠し要素が多く、なにも情報を持たずにプレイするとあっという間に詰みます(統一ゲームはなおさら)

 なので今でも攻略本を所持しています。これを無くしたら本当に苦戦するでしょうね。殿たけしの無茶ぶりもあちこちで発生するのでそれをどう突破するかもゲーム中では明かされていない場合が多いので「戦は情報」という概念を幼少時からたたき込まれたゲームと言えるでしょう。

 まあそれでもミニゲームの難易度はかなり高いんですけどね。地獄門ゲーム(わかる人は分かる)なんて三分の二の確立を五回くらい突破してようやくクリア。そのくせ実入りが少ないというドM仕様。川渡りゲームも二分の一で水に落ち、剣術ゲームはCOMの設定がランダムなので最強設定にされると「いかさまカード」がないと絶対に勝てません。対人戦になればそれこそ裏技を知っているかどうかでモロに勝敗が決まるレベルでしょう。


■まとめ

 たけしシリーズ特有の理不尽ゲーム。ですが戦国時代で綺麗も汚いもありません。生き馬の目を抜いて生き残った、勝った奴が正しいのです。ある意味世界の厳しさを教えてくれると言えるかもしれません(笑)

 サイコロはヤクザが振るし、賭場の娘にちょっかいかければ店主に怒られて戦闘に入るし、仕事屋では「ヤバい仕事をやる」なんてコマンドがあるし、奥さんと宿に泊まったら子供ができるし、街の福引屋の主が大橋巨泉、保険屋の店主がチャーリー浜そっくりだったりと小ネタもあちこち仕掛けてあって、他に何があるのかと探し続けてしまう程に癖になる。やればやるほどドツボにハマるゲームと言えるでしょう。


 最後に、クリアした時に殿たけしから贈られる温かい労いの言葉をもって締めとさせていただきます。


「それにしてもお前、暇だね」


 今回はこの辺で。

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