39
▼ 夢 ▲
コンサート、パフォーマンス大会、格闘大会など……この世や異世界のあらゆるご馳走や娯楽を皆で盛大に楽しんだ後は……
『カポ――――ン』
「あ。ドラマやアニメの銭湯のシーンでよく聴くこのカポーンって桶の音だったんだね」
「何でツルちゃん女湯に居るの!?」
楽しんだ後は、汗でベタつく体を温泉に入って清める。
「何を今更。脱衣所でも皆と一緒にヌギヌギしたっしょや」
「こいつ……あたしが気付かないレベルで気配を溶け込ませやがった……」
「ほらほら、僕の事はいいからカサネもイナリも鏡の前に座った座った、二人同時に身体洗ったげるからっ。あ、モガミはさっきスケベマッサージしたげたから後でねっ」
「……結構です」 むぅ、スタスタと一人で奥の方に行きやがって。さてはその生尻を隠すのも忘れるくらい拗ねてるな?
肩を竦めつつ、改めて、今いる露天風呂を見渡す。
市民プール並の広さに海も眺められるオーシャンビューな造り。上品な日本庭園の中心に温泉をぶち込んだかのようなこのフーコーメイビーな場所は、湯を浴びる者を心身共に癒してくれるだろう。
リリリという虫の音と、桜の花が満開な一方で反対側にはカエデの紅葉が色付き、たまに空からは粉雪が舞い降りるここでも健在なキメラ季節感。
そんな場所で、今、尾裂狐のお姉さん達や同世代の子達、僕が連れて来た異世界喫茶店組や幼女ちゃん達が全裸で歩いたり体を洗ったり湯に浸かったりしている。ううむ、素晴らしい。
「つ、ツルちゃん、カサネ一人で体くらい洗えるからっ。というか、今言ったスケベマッサージって…?」
「てかそれ以前にまずさっさと女湯から出ろよっ」
「うるせぇ二人共黙って御奉仕されろや! あとタオルも取れやァ!」
「「あっ!!」」
有無を言わさず二人を檜の風呂椅子に座らせタオルを剥ぎ取る。その技の切れ味はまさに匠の領域。お風呂マッサージ検定二級。
「全く、僕を相手に抵抗は無意味だと思い知ってる癖に。てゆうか今更何を恥ずかしがってるんだい? 裸の付き合いなら何度もしてるだろう?」
「そっ、それは……前と今とじゃ状況が違うってゆーかっ」
「……察しろよお前、そこは。てか察してて言ってるだろ」
「僕のチンチンだって何度も見てるだろ? (プルンッ)」
「「見せんでいい!!」」 二人は同時にサッと首を回し僕に背中を向ける。女の子二人の無防備でいやらしい背筋が丸見え。「さて」と僕はボディーソープを数滴手に取り、手で泡立てて
――ピトリ。
「ひゃう!?」「……ッ」 左手はカサネに、右手はイナリに。二人の背中に、同時に手を置いた。
ペチャ……ヌリ……クチュ……ペチョ……ヌリォ……
ワザと妖しい水音を立てつつ、二人の体を味わうように両の手を動かす。二人とこんな肌の触れ合いも当然初めてでは無いのだが、何だが前と反応が違って僕の方もドキドキムラムラしてくる。お尻の切れ目なんかを撫でると、二人ともピクッと小さく跳ねたりして……ムフ。
しかし、こうして洗い比べてみると、同じ細い女の子の体でも大分感触に違いがあるのもわかるな。
カサネは例えるなら中にジュレの入った柔らかグミで、外はプニプニと丈夫だがどこか脆くすぐに中身が漏れ出そうな危うさがあり、
イナリは例えるなら押せば跳ね返るハード系もっちりグミで、食感も食べ応えも期待を裏切らない満足感があって……つまりは、どちらも甲乙つけがたい。
「グミってどういう例えなの……」「あたしらをゼラチンの塊と一緒にすんな」
「あら、口に出してた? まぁいいけど。じゃ、次はこっち向いてー」
「え!? いや、流石にそこまでは……」「あんま調子乗んなよ?」
「じゃあ僕が前に行こうっ」
「「来んでいい!!」」 そう言われたら反抗したくなるのが僕の性分。シュババと横跳びしながら彼女達の前へ行くと、サッと、二人はすぐさま両手でおっぱいを隠す(元々股間の所はタオルで隠れていた)。
「お風呂で裸に抵抗感あるなんて本当に日本人かい? 見ろよ、僕なんて隠す事すらしない(プルンッ)」
「「だから見せんでいい!」」
「まぁまぁ。それより二人共、自分の隠してる胸元を見てみなよ」
「え? あれ!? 泡まみれだ!」「いつの間に……」
「僕に気を取られてる間につけてやったのさっ。ついでにさり気なくイナリの乳首も触ったから『一日で皆の乳首を触るノルマ』も達成したぜ!」
「どんなノルマ課してんだ!」「皆の触ってたの!?」
「話は戻るけど。簡単に流れ落ちない濃厚な泡のブラだからわざわざ隠さなくて大丈夫だよ」
そう説明すると、二人は顔を見合わせ、渋々という感じにおっぱいから手を離す。いやぁ本当に納得するとは。どっちも感覚が麻痺してるな?
気が変わる前に再びソープを二人の生肌に塗りたくる。先ずはお腹付近からペタペタ。
「それはそれとして……イナリったら僕と出逢った頃はあんなチンチクリンだったのに、今はほんと女の子の体になっちゃって」
「あ、それはカサネも思ったっ。急に出るとこ出たよねっ」
「な、何だよお前らっ、ジロジロ見んなっ」
「これは急に来たパティーンですよ鋏さん」
「ええそうですわねカサネさん。恐らく僕と過ごした事によって眠っていた女性ホルモンがドバドバ出たパティーンですわよ」
「わけわからん会話はやめろっ」
「というかカサネさん? 貴方達二人、どちらも巨乳ですが、見比べたら歳下で身長も低いイナリさんの方が若干大きくありません? 余裕ぶってますけれど」
「べ、別に比べるもんじゃねぇだろ」
「ぐぬぬ、確かに……同棲か!? ツルちゃんとの同棲がキモなのか!? だったらカサネもしばらくツルちゃんと同棲する!」
「いいよ」
「い、いいわけねぇだろっ。せ、せめてお前らウチに来いよ」
ふふ、喜怒哀楽わかりやすくって可愛い二人だなぁ。
「さて……会話しながらもヌチョヌチョやってたわけだけど、そろそろ、君達の体の感度が敏感になって来た頃合いじゃないかな?」
「え? い、言われて見たら……ンッ」「クッ……お、お前、ソープに何か……?」
「いや別に?」
「「何で訊いたんだ!!」」
「さぁて次は太もも付近だね」
ジー……。
「ちょ、ツルちゃん、せめて何か喋ってよ、ジッと顔見ないでっ」「よくこっち見たまま洗えるな……」
カサネは両手で顔を隠し、イナリはそっぽを向く。どちらもその白い肌は真っ赤だ。
「んん!? や! タオル下は!」「こいつ! その為にあたしらの意識を他にやって……!」
「脚の付け根洗うのも当然でしょや。……うーん羨ましい、僕はいつチンチンに毛が生えるのか(ショリショリ)」
「「どこ触ってん(の)だ!!」」
「グヘヘ、漸くこの体を自由に出来るのかー」
「「させるか!!」」
「でも僕達ってこうなる前から既に『ヤる事ヤッてる』よね?」
「「…………」」
「僕達みたいな十代の性欲旺盛な男女が何年も幼馴染してたり少しの間同棲してたりしておいて何も起きない筈がなく……」
「「はいやめやめっっ!!」」
「ちょっとあんた達うるさいしちっちゃい子も見てるんだから自重しなさい」
大騒ぎなご奉仕を妹ちゃんに咎められたので仕方なく戯れを終わらせ――因みに僕自身は泡まみれの狐達に洗車機の様な感じに洗って貰って――湯船へ。
乳白色の湯はトロリとした肌触りで気持ちいいが、他の女の子達の裸体が絶妙な感じで見えなくなるのでそこだけが不満。まぁ見えないエロスも理解出来るけどさ。
夜色の空に輝く星。漂う予感。何かが起きそうな素敵な満月。
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