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◆◆◆


カサネとのデートが終わり……今はお昼の時間。


「おほーっ、待ってましたッ。みっずっぎッ、みっずっぎッ」

「生き生きしやがって……」

カンカンと照り付ける太陽の下。森と違って一切の雨の影響を受けていない夏気候の海岸地帯の上に、美少女軍団が勢ぞろい。もしもここが一般の海水浴場ならば、一メートル歩くごとにナンパされているだろう。

「ほらほら君達早くそのパーカーなりの上着を外しちゃいなよッ水着晒しちゃいなよッ」

「わ、分かったから騒がないでよツルちゃん、恥ずかしいよー」

「何が恥ずかしいんだカサネ、今は尾裂狐の連中も殆ど居ないプライベートビーチ状態じゃんか。この場の気温は現在三〇度近く。その薄手なカーディガンですら暑く感じて来ただろ?」

「必死過ぎですよ鋏さん」

「これが落ち着いていられるかモガミッ。僕からしたら水着見られたらもう帰ってもいいって思ってるくらいだッ」

「お前もう帰れよ」

「んだとイナリッ、てめぇ剥いで水着のパンツだけにすんぞッ」

「今更手遅れだけど……これ以上の五色の恥の上塗りはやめなさい鋏」「ツル君っ、水着が見たいのならお姉ちゃんがエロいの見せるよー」

「妹と姉の水着とかチンチンピクリともせんわ」

さてさて。熱意が伝わったのかいそいそと上着を取って水着姿になり始める女の子達。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオイル塗らせろおおおおお」

「うう……」「……(モジッ)」「うるせぇうるせぇッ」

カサネは可愛らしいフリル付きのピンクなタンキニ、

モガミはセクシーな黒のビキニ、

イナリはバレー選手のようなスポーツブラタイプのぴっちり水着で、それぞれが持ち味を最大限に生かしたチョイスに。皆スタイルが良く胸が大きいので迫力がある。姉妹の水着? まぁ普通のやつ。

「グヘヘ最高だぁ……ん? 狐花さんは水着にならないの? 着物姿は見ててこっちが暑くなるんだけど」

「おやおや、君は高校生の娘を持つこんなおばさんの生肌が見たいのかい?」

「それもそうか」

「……なんか君はどんどん父親に似ていくね、失礼な感じが」

「それは嬉しい限りだ。パパンの生き方は僕の目標だからねっ」

「……そういえば君はファザコンの気があったね……『君の中の神様』の影響なのかは兎も角として、あんな男の真似しちゃだめだよ、本気で」

さてさて。見たいもん見られたし――。

「じゃあ皆適当に遊んで来なよ、その間にバーベキューの準備してるから」

「冷めるの早いよ!? ツルちゃんも遊ぼっ、準備ならその後皆でやった方がいいでしょ」

「誰かさんの所為で午前で疲れたから遠慮しとく」

「カサネの所為にしないで!」


――その後、昼食であるバーベキューの用意が出来たので、ヒロイン達を集合させる。


「いやぁ、この面子を見ると、なんだかあの時を思い出すね。鋏ちゃんとユエちゃんとカサネちゃんが小学生の時だっけ? 京都の尾裂狐本家の方に三人だけで遊びに来たの」

「狐花さん……あれは遊びに、じゃなくって家出よ。私達は鋏に巻き込まれたの」

「は? 昔尾裂狐に? お前らが? あたしそん時の事知らねぇぞ?」

「何かその時イナリちゃんは修行かなんかで家にいなかったんじゃなかった? で、確かツルちゃんたら祭で踊りたくなくって家出したんだっけ。一週間くらい尾裂狐でお世話になったなぁ」

「懐かしいー。思えばツル君、毎年のように祭の時期は家出してたよねー。私も行きたかったけど……当時はツル君と仲悪かったからなぁ」

「……鋏さん、昔から相変わらずなんですね」

ノーコメントだ。当時の僕は若かった。「ほらほら君達、そんな事よりバーベキューだよバーベキュー」と話題を変える。

「モグモグ……はぁー、やっぱり本物の焼きエビはおいしいよぅ。伊勢海老サイコー」

「んだとカサネ、やっぱりってなんだよ、この鉄板でアレ焼いてもいいんだぞ」

「お前ら午前中何やってたんだよ……」

「濡れたりあっため合ったり拭いたり色々したよねー痛い痛い抓らないでイナリ顔怖い」

「……鋏さん、用意が出来ましたよ」

「おー、冷やしラーメンだぁ、ナイスモガミッ。(ズルズル)うん、ちぢれ麺とあっさりな冷製スープの相性が最高だね」

「(ヒック)知ってるぅツル君、焼きそば作る時ビール入れたら美味しくなるんだよー」

「てめぇ酔っ払い(ツムグ)! 余計なもん入れたらぶっ飛ばすぞッ」

「この鉄板奉行な兄貴はここでも細かいわね」

「バーベキューは仕切る人が居ないとダメだっていつも言ってるでしょユエちゃん。……あっ、ボタンにスミレも来てたんだ。焼き立てのカルビ、食べる?」


そんなこんなで僕達はお昼のバーベキューを堪能して……。

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