第6話チョロインだった僕

彼女とオープンテラスのある喫茶店に着いて後、お互い取り留めのない話をして過ごしていた。

 正直なところ、お友達という感覚でもあったため、会話は特に緊張することもなく自然にお話できたと思う。

 そして、話もそろそろ切り上げて、今日は解散しようかと考えていた頃、彼女がお菓子を鞄から取り出して、僕に差し出した。

 僕は最初「???」という反応をしたと思うが、クリスマスだからということでお菓子をプレゼントしてくれたようだ。

 見た目は手作りのようだったので「これって、手作り?」と彼女に尋ねたら、YESとの返事だった。

 僕は手作りのお菓子を女性から頂いたことなどなかったので、少しうれしい気持ちになったと同時に、こちらは何もプレゼントを用意していなかったので申し訳ない気持ちになった。

 このことを切っ掛けに、彼女に対する好感度が上がり、彼女を少しよく見るようになる。

 すると、今まで抱いていた彼女への印象が変わって、彼女が素敵な女性に見えるようになった。

 つまり、彼女への心がノーマルな状態からプラス方向へと傾いていったのであった。

 これを今風に言うと「チョロイン」というのであろうか。

 手作りお菓子一つで好意を持つとは、女性の行動に対して耐性がなかったのであろう。

 とりあえず、彼女とはまた会いたいなと思ったので、次にまた会う約束をして、別れたのであった。

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