題詠71-80(忠実・ベンチ・詩・姉・日常・公式・ルビー・におい・サウンド・ある朝・航路・遊園地)

71「忠実」

 お嬢様、アナスタシア姫の眼鏡を忠実に模作してございます 


72「ベンチ」

 職工とは喋らぬ眼鏡の庶務のが 叩いて直すベンチレーター 


73「詩」

 家柄も詩吟も眼鏡も捨てたのよ ベンセイシュクシュク夜つけまつける 


74「姉」「日常」

 いねし姉の眼鏡を掛けて髪をき鏡に向かふ 僕の日常 


75「公式」

 「だからってメガネ掛けなきゃ可愛くない訳じゃないよ!」と公式答弁 


76「ルビー」

 3月のセルフレームは 白い肌にルビーのようにきらめいていた 


77「におい」

 「犯罪の匂いよ!」メガネ輝かせ 制服ひらり図書室に消ゆ 


78「サウンド」

 スカートの裾と眼鏡を直しつつ サウンドシステム横目に読書 


79「ある朝」

 目覚めるとひとりの枕元にただ君の眼鏡が置いてある朝 


80「航路」「遊園地」

 遊園地の海賊船で眼鏡ごと君をさらってゆく魔の航路 

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