第19話 迷子

-自分を見失いそうな瞬間が1年に何回かやってくる時がある。


まさに今がその状態だ。


そうなった場合、自分の存在意義を確かめるために何かを発信しなければいけないのではないかという衝動に駆られる。


だが元来自分自身のことをあけすけに話すことなど慣れていない者がいきなりやろうと思っても上手くなどいくわけもなく、いつも寸前で筆が止まるのだ。


-一体自分は何がしたいのだろうか。

-今私はなぜこの場にいるのか。

-この先どうなってしまうのだろうか。


そんな唐突に思いつく大人の脳で考えているとは言い難い疑問の数々。


私は現在いまも過去に残されたまま、必死に淀んだ透明の塊を吐き出している。

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