第45話 体育 後編

決勝戦を始める。

女子のバレーボールが早く終わったため、これから始まるバスケの試合を見ている。

しかし、それだけではない。

僕の高校のバスケ部は、全国大会へ行くぐらいの強さで、顔の良い奴らがいる部活。

正直、悔しい気持ちもあるがはっきり言うとイケメンが勢ぞろいなのだ。


相手は部活でやってる人たち。

正直、勝つといっても笑われるかもしれない。

でも、僕は白崎さんと約束したから、勝たないといけない。

体育の授業でも関係ない。ただご褒美が欲しいだけ…。


翔がジャンプボールで、チームの方にボールを投げ、仲間がキャッチした。

僕は、試合速攻で、相手のゴール近くまで行き貰ったボールをスリーポイントラインからシュートした。

そのボールは弧を描き、ゴールへと入っていった。

とりあえず、先手は取れた。


しかし、さすがは全国出場の部活なだけある。

初手以降、相手に点を稼がれる。

他にも、相手チームが点数を入れるたびに女子の「キャー」という甲高い声がきこえる。

僕たちは何とか必死に食らいついたが、残念なことに結果は5対15で敗退だった。


「隼人。残念だったな…。もう少しうまくパスが回せればよかったんだけどな。」

「いや、パスは全然よかったよ。僕も、もっとうまく立ち回りできればよかったんだけどね?久しぶりに本気でスポーツをやったって感じがするよ。」

「また、始めればいいんじゃない?スポーツ。」

「考えておくよ。」






「高木さん!」

「あっ、白崎さん。ごめん。負けちゃった。」

「いいんですよ!試合すごくかっこよかったですよ?」

「ありがとう。でも負けちゃったし。勝ってもう少しかっこいいところ見てほしかったんだけどね?」


「いつもかっこいいです…」


「?。今なんて言ったの?ボソッとしてて聞き取れなかった。」

「大丈夫です。大したことではないので。」

「そう?ならいいけど。」

「授業も終わりましたし、ホームルーム終わりましたら、高木さんのクラスに行きますね?」

「了解。では、後程。」



はぁ…、ご褒美もらえなかったの残念だったな。

なにがもらえたんだろ…と、考える隼人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る