第44話 体育 中編

白崎さんのチームの試合が始まった。


試合中、白崎さんは小さいながらもチームにすごく貢献していた。

しかし、相手チームは翔によるとバレーボール部に所属している人が三人もいるようでいいところまではいったが、結果は初戦敗退だった。


白崎さんはとても悔しそうな顔をしながら、体育館外の廊下出て行った。



「お疲れ様。」

「高木さん…。負けちゃいました。」

「そうだね。でも、白崎さん頑張ってたじゃん。それに翔から聞いたけど相手のチーム部活でやってるチームなんだってね?そんなチームによく食らいついたと思うよ?」

「でも、高木さんに応援して貰ったので…。」

「白崎さんは十分頑張ったよ。」


「隼人!試合もうすぐだぞ!早く戻ってこい!」


「落ち着くまでは休憩してなよ。僕はもう試合が始まるみたいだから行くね?」

「高木さん!頑張ってください!私も戻って今度は高木さんの応援します!」


シュン…。としていた白崎さんは、気持ちを切り替えたのか僕の応援をするからと言って体育館に戻っていった。


「やっと戻ってきたか…。もう始まるぞ?」

「うん。あまり目立ちたくはないんだけどね?でも、白崎さんが応援しますって言ってたから負けるわけにはいかなくなっちゃったんだ。だから、今回は少し本気で行こうかな?」

「珍しく本気モードかぁ?いいね!俺も手伝うぜ?」


僕たちの試合が始まった。

相手は、僕たちと同じように仲のいい奴らで組んだチームのようだ。


「隼人。パス。」


僕は三ポイントの線ギリギリに立っていた。

隼人からすぐにパスが回ってきたので、そこからシュートを決めることに成功した。


「さすが。隼人。」

「とりあえず、ゴールは決めるからパス回してくれ。」


試合中パスはほとんど僕のところに回ってきた。

そして何もためらわずに、レイアップなどを決め試合に15対0で勝ったのだった。


15対0で勝ったこともあり、体育の先生からシード権を貰った。

次の試合はなく、決勝戦が最終試合となるようだ。


試合が終わり、休憩をしていると白崎さんがこっそりと僕の近くまで来た。


「次の試合も頑張ってくださいね?もし、優勝したらご褒美上げちゃいますよ?」

「ご褒美…?」

「ふふっ。そうです。ご褒美です。」



「翔。この試合次も勝つぞ…。」

「おっ、おう…。どうした。いつもの隼人じゃないみたいだ…」

「勝つ理由ができたからかな?」

「お前…寒いぞ…言ってること理解できてるのか…?」



翔になんと言われようと関係ない。

僕は、なんとしても白崎さんのご褒美が欲しいから!!!!

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