第17話 お願い

30分ぐらいたったろうか。

白崎さんがお風呂から上がってきた。

普段、白い肌を赤く染めており、濡れている髪の毛が妖艶であると言えよう。


「高木さん。お風呂ありがとうございました。」

「全然。僕の方こそ服を汚してしまったし…ごめんね?」

「ふふっ。大丈夫ですよ。」

「ただ、洋服が洗濯中なので…まだ帰れないんですけどね?」

「もう、21時か…。」


結構、時間がたったなぁ…そんなことを考えていると、白崎さんが凄いお願いをしてきた。


「高木さん。お願いがあります。」

「はい。何でしょうか?洗濯終わるまでなら全然いて構わないよ?」

「そうではありません。今日、頂けないですか?」

「うん。だから洗濯終わるまでは…いいよ…って今なんて言った?」

「ですから、『今日泊めて頂けないですか?』といいました。」


えーと。なぜ白崎さんは、泊めてほしいと言っているんだ?


「白崎さん。なぜ泊まる必要があるのでしょうか?」

「それはですねぇ~洗濯して、また準備して帰ってってなると、時間が遅くなってしまうからです。それに…。高木さんの家に泊まってみたいから…です。」


最後の方は、聞き取れなかったが…。確かに洗濯終わって帰るとなると遅くなるだろう…


「白崎さん。年頃の男女が一緒の家に泊まるのは、如何なものだと思うのですが?それに、僕たちは付き合ってるわけでもないですし…。」


そんなことを言う、僕に自分でも無茶を言っている自覚はあるのだろう白崎さんは、

ほっぺをぷくぅっと膨らまし、今にも泣きそうにこっちを見てきている。


「でも、でも、でも。あまり遅くなると高木さんも帰り危ないと思うのです!男性と言っても一人は危ないです。と、いうことでやはり今日はお泊りにしましょう。ダメ

ですか?」と上目遣いで僕を見てくる。


僕は最近気が付いた事がある。

それは、白崎さんはの上目遣いには適わないということ。

ぐぬぬ。その顔は、反則だよ…白崎さん。僕が断れないこと知ってその顔してくるのかな?そのうちこっそりと聞いてみるかな…。


「わかった。わかったから。とりあえず今日は泊まってもらっていいから。明日も休みだし。」

「本当ですか!?ありがとうございます!!とてもうれしいです!」


本当に嬉しいのだろう。

隼人は、白崎さんの満面の笑みを見たのだった。

きっとこれが彼氏彼女の関係ならもっと良いものなんだろうなと思ったが、僕には関係ないことか…とその気持ちを自分で抑え込むのであった。

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