密度のある文章にこめられた、猟奇、野生、倦怠

あえて断絶を含めた密度の高い文章がつづる、程よい「つながらなさ」。古文書を通し、長い時間を経た出来事をリンクさせようという主人公の試みは、達せられたような、達せられないような。最後に彼に乗り移った狂気でさえ、文章は断絶され不確かなまま終わります。
息の詰まる、それでも目の離せない、強く太い文章力を楽しめます。

その他のおすすめレビュー

あかいかわさんの他のおすすめレビュー130