長編のポテンシャルを惜しみ無く注ぎ込んだ物語

【それでも魔女は毒を飲む】

このタイトルで話を書こうという企画。
おそらく多くの人はひとつのメインのネタを主軸に短編を書いたと思う。

しかしこの作品はまるで長編の始まりの物語。

タイトルから広げる風呂敷の面積が凄まじい。 そしてその風呂敷を編み上げるスピードも素晴らしい。

その上で、文章表現がクオリティと遊び心を維持している。

例えば「夜の違和感を拭き取るように明るさを吸い取る」という表現。舞台が夜であるということを再確認できつつ、動作の雰囲気も伝わり、かつ詩的である。

著者は本当に、文章表現の名手であると思う。

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