第6話 お風呂と百合

 『マキナちゃん一緒に入ろ!』


 アスカは、タオルを一枚肩に掛けた状態で他は何も纏っていない。


 「(マキナ!マキナ!返事しないと!)」


 マキナは、他人の裸を見たことがなかった。マキナは、アスカの身体に見とれていた。


 「…キレイ…」

 「そんなにまじまじ見ないでよ!マキナちゃんのエッチ!」 


 アスカは話ながらお風呂から桶にお湯を汲んで、マキナの分の椅子も用意してくれた。


 「風呂桶も椅子も使って良いからね」

 「あ、はい…」


 マキナは、進められるままにアスカの隣りの椅子に座った。椅子には、アスカがお湯を掛けてくれたので暖かい。


 アスカとマキナの目が合う…


 「マキナちゃん…どうしたの?」


 マキナは、アスカに向かうように座っていた。


 「(マキナ、アスカと同じ向きに…)」


 カズミは、注意しようとしたが、マキナが途中で口を開いた。


 「あの…からだ…」


 「からだ?…ふふふ。あらいっこする?」


 マキナは、少しうつ向き、アスカの顔色を伺いながら言った。


 「アスカさん…私、あまりお風呂に入ったことがなくて…あの…できれば、からだの洗い方とか…お風呂の入り方とか…おしゅッ」


 マキナは、アスカに両手で顔を挟まれ、ひょっとこ口を作らされた。


 「ムギュ?」


 アスカは顔をマキナに近けて来た。


 「(え?ちょっと…待って…アスカ?キス?…)」


 アスカとマキナのおでこが当たる。


 「良く言えました!大丈夫…大丈夫だから…教えてあげるよ!」


 「ムギュッムムギュッ」


 マキナはひょっとこ口のままお礼を言った。


 「(カズミ、何か期待してたの?)」


 マキナは、カズミの狼狽ぶりを感じて落ち着きを取り戻し、カズミを煽っていた。


 「(すまない…)」


 アスカは、マキナが熱いのが苦手だと、すぐに気づいてくれて、窓から手を伸ばし、外桶から水を汲んでくれた。

 そして、アスカが持ってきたタオルで泡を立てる。


 「右手上げて…」

 「はい…」


 マキナの右手をアスカが優しく洗う、肩口から始まり脇、にの腕、シワのない肘、上腕、手、指と隅々までアスカの少し大きい手が通り抜ける。


 カズミは、目のやり場に困っていた。向かい合わせで洗ってくれているから、あられのない姿のアスカが目の前にいた。


 「(カズミ!すごく気持ちいい…)」

 「(そのまま、その気持ちをアスカにいってあげなさい…)」

 「(分かった…)」


 両腕を洗い終えた。


 「すごく気持ちいいです」

 「そう?良かった!さあ下も洗うから立って」

 「(そこは、自分で洗おう!な?マキナ!…)」

 「(じゃあ、今かわる?)」


 カズミはうなだれ、マキナは立ち上がり、少し強く拳を握り締め、手首を立てた。


 「(マキナ?)」 


 「(そしたら、私…カズミにあ、あそこの洗い方…教えてもらうの?そんなのいやだもん!)」


 カズミは黙った。


 「両腕を上げて…背中洗うよ…」


 ゴシゴシアワアワ


 マキナは、髪の毛をアスカに纏めてもらい、左手で髪の毛を押さえながら小さな背中を丸くし、アスカに背中や細い腰を洗ってもらう。


 「…痛くない?」

 「痛くないです。やっぱり気持ちいいです…」


 ゴシゴシアワアワ


 「背中は自分で見えないから、洗い残しがないようにね。こっち向いて、前も洗うよ!」


 「は、はい!」


 「そうだ!マキナちゃんって、今何歳なの?」


 ゴシゴシアワアワ


 「ごじ…15才です…」


 「そっか…む、胸なんだけど…おっきくなると胸の間とか脇からココにかけて汚れがたまりやすいから、しっかり洗ってね。まだ、成長期だから…」


 マキナの小ぶりなお皿おっぱいシンデレラバストを洗いながらアスカは言い訳をした。


 「私も10年前は男の子みたいな胸だったんだよ…だから!大丈夫!大丈夫!あははは…」


 マキナは、黙って聞いていた。マキナにとっては、身体は成長しないことが普通なのだ。でも、一瞬だけ…ほんの一瞬だけカズミに意識を向けたが、洗う気持ちよさに浸っており、SB《シンデレラバスト》どころではなかった。


 「さあ、上半身終わり!下に行くよ!足も少し開いて」


 アスカはマキナの後ろから指示を出した。マキナは両手を胸の前で合わせ束ねてもらった髪を掴み緊張していた。


 マキナの太ももにアスカの右手が触れる。


 「は、はひぃ!……アスカさん…タオルじゃないんですか?」


 「デリケートな所は手で洗わないとダメよ」


 「そ、そうなんですね…ひぅッ」


 太もも周りから臀部へアスカの右手が流れる。


 アワアワ


 臀部の割れ目にあるマキナのにアスカの指が触れ、通りすぎる。


 「……ん…」

 「マキナちゃん、恥ずかしがらないでよ…こっちも恥ずかしくなるじゃない…えい!」


 マキナのツルツルの割れ目からお尻のつぼみまで、アスカの少し大きい腕が一気に擦れながら通りすぎる。


 「ひうゅぅぅぅん!」

 「フッフー!恥ずかしがりやさんにはこういうこともしちゃうぞ~」


 「なんか…アスカさん…私おかしいです…からだかトクントクンします」

 「ごめんごめん…やりすぎちゃったね…あと、大事なここの洗い方なんだけど…」


 このあとは、アスカのいたずらはなく、手の指先から足の爪先までしっかり洗い方のレクチャーを受けた。


 「ありがとうございました…アスカさん…今度は私がアスカさんを洗っても良いですか?」


 「フッフー!だーめ」 


 バシャーン! 


 「ひぃう!?」


 アスカはマキナに湯船から汲んだ湯を 頭からかけながら言った。


 「寒いから風邪引いちゃうでしょ!泡を落としてもう湯船に入りなさい!」 


 「…」


 マキナは、アスカの優しさに感動していた。


 「(アスカさん…カズミが惚れてしまうのも無理はないですね…)」


 マキナから涙がこぼれた。


 「マキナちゃん…」

 マキナは、アスカに包み込まれた。

 「マキナ…大丈夫…大丈夫だから…じゃあ、背中だけ洗って貰おうかな!」


 マキナは、またアスカに心配された。だが、それが本当に嬉しかった。


 「はい!」


 チャポーン


 マキナは、アスカの背中を頑張って洗った。そのまま、前も洗おうとしたが、カズミに止められてしまった。

 それから、湯船のお湯はアスカが混ぜてくれ、ぎりぎりマキナでも入れる温度になっていた。


 「マキナちゃん、もう熱くない?」


 アスカはマキナを股の間に置き、同じ浴槽に一緒に入っている。そのため、おのずと身体が触れあう。


 「すみません…アスカさん…お湯…ぬるくしてもらって…」

 「マキナちゃん…謝らなくていいよ。こういうときはね!ありがとう!って言えばいいんだよ!」


 パシャッ


 マキナの顔にアスカが水をかけた。


 「フッフー!どうだ!」

 「うわー!(棒読み)」

 「棒読みすぎだぞぉ!」


 「…ありがとう!」


 「うふふふ…よし!…そろそろ上がろっか」


 二人は浴室を出た。

 アスカは、マキナの身体を拭いてくれた。

 着替えたあと、アスカを待っているとアスカは着替えたあとそのまま、浴室に戻っていった。

 「(マキナも着いていって)」

 カズミの言われた通りにマキナも浴室に入った。


 「マキナちゃん、どうしたの?あ!手伝いに来てくれたの?」


 マキナは、こくりと頷き、アスカにお風呂後の片付け方を教わった。


 その後、マキナは髪の乾かし方、風呂上がりの髪の結び方やタオルの巻き方などなどをアスカから手解きを受け納屋のベッドに入った。

 あとで、カズミから自身も女性の身だしなみや果ては着付けなど何でもできることを知り…マキナは少し引き、何か言っているカズミを無視して、アスカとのお風呂のことを思い出した。

 

 「フフフ…アスカさん…」


 「呼びました?」

 「ファッ!!!」 

 

 マキナは、ひょうきんな声を出した。


 「フッフー!驚いた?」



 ※※※※次回予告※※※※

「髪の毛は~女の~命なのよ~ルンルン♪」

 アスカ「痒いところはないですか?」

 マキナ「あッないです…ありがとうございます」

 アスカ「キレイ…」

 マキナ「…(///.///)」ボフンッ!


 次回第7変 現 実

 フッフー!ヒロインのアスカです!catch you later!また見てね!





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