記憶の改ざん

空には、無数の幾何学模様のクリスタルのオブジェクトがいくつも宙に浮いている。それぞれシアン、マゼンタ、イエローの色彩が内部から淡く発光している。


その中異彩を放っていたセフィロトツリーの形状のオブジェクトが金色に輝きながら緋斗に近づいて来た。


夢うつつの緋斗は、それに手を伸ばすと。


「おおっ!やった!お黄金だっ!これで一生生活に、困らない!」


なんとも短絡的、強欲的、俗物的な発想と行動。親が聖職者だと言うのに情けない。


手の平が、黄金に輝く物に触れると、輝きは更に増し周りが見えなく成るほど眩しく光


「うぅ!うわっ何だこれ!!」


緋斗は、驚き、たじろぎ、目を閉じた――



「何だこれって!!」


少女の声がする。


神秘的な青色の目、黄金に輝く金髪は肩まで伸びており、顔は小さく、目が大きく、形のいい高い鼻、背は150程、いわゆる美少女だった。


「ちょ!離しなさいよ!貴方どういう教育をされて来たのっ!!」


幼い頃キューピー人形を潰した時の感覚。緋斗は、恐る恐る目を開けた。


「誰がキューピー人形じゃ!!放せっ!!」


目の前を見ると、少女が、じたばた暴れている。


「!」


緋斗の手のひらは少女の小顔を包み込みしっかりと、ロックしていた。


「痛い痛い痛い痛い痛い!!やめろー!!」


「うわっ!」


緋斗は慌てて小顔から手を払い両手を上げ。


「ごめんな!キューピーさん!」


「誰がマヨネーズのメインキャラクターじゃ!!」


「痛っ…むむむむ立場をわきまえろ。下郎っ!死人の分際でっ!!」


「えっ!?」














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