蝉は変わらない、二〇二〇年の夏でも

二〇二〇年の夏。
人々の間で流行したウイルスの影響で生活は一変してしまった。
真夏でも登校しなくてはならない学校。
人間なんてお構いなしに、蝉はけたたましく鳴き続けている。

――蝉なんて飛べなくしてしまえ!
だって、自分たちは飛べなくなってしまったから。
それは人間のエゴなのか? この夏だけの衝動なのか?
でも蝉は変わらない。自分が子供の頃からずっと。

二〇二〇年の夏について、蝉を通してじっくりと考えさせてくれる作品だった。