第47話 不滅のダンジョン
深い眠りを妨げられたのは、ボンバー魔王のお尻からだった。
ボンバー魔王のお尻が僕の顔面に乗っていたからだ。
あまりにも苦しい状態で思わずボンバー魔王をどけると、きゃっきゃ言いながら笑っている。
「いてて、そう言えば、ボンバー魔王と幼竜も預かっていたっけ」
【色々と迷惑を掛けたな】
突然幼竜が話し出す。
【見ての通り、わすは元々誕生竜として誕生した。人々が不老不死に手をかけたいあまりわしたち誕生竜は破滅竜と名前を変えた。これが本来の姿だ】
そこには空のように蒼くて、ブルーサファイアのような光を称えたドラゴンがいた。
もちろん大きさは小さいままだが。
【誕生竜とは別名蒼龍と呼ばれる事がある。わすは起こされた時にパニックになっていたようなのじゃ、あの時のわすはいつものわすではない事を覚えておいて欲しい】
「なんとなく分かるよ、僕も無理矢理起こされたら機嫌が悪いしな」
【その通り、でだ。誕生竜としてお主にお願いがある。不滅のダンジョンを攻略してくれ】
「一体どうしてなのですか?」
【あのダンジョンは放って置くと、中からモンスターが雪崩のように出てくる。それもレベル帯が2000を超える奴等ばかりじゃ、わすはこの国を見殺しにしたくない、遥か昔わすたち4賢人が攻略して封印したはずじゃったのじゃ】
「4賢人とはなですか?」
次から次へと出てくる新しいワードに驚きつつも、彼の話を整理していると。
1人の老人が隣に腰を下ろした。
その人は玄武であった。
「それはわしから話そう、こいつは蒼龍だったのか、まったく変わり果てたから気付かなかったぞ」
【すまん玄武殿、わすの力を保存してあるアイテムも不滅の迷宮にて祭られているはずじゃ、確か最下層だった記憶がある】
「それは知っていますがね、ですがあなたの力が絶大すぎるから不滅の迷宮に封印したのでしょう?」
【じゃが、今、この世界は何かがおかしくなっている。ついに4賢人の出番じゃ】
「それは納得ですがね、白虎と朱雀がどこにいるなのじゃが」
「ちょっと待ってください、話が飛躍すぎて訳が分からないのですが」
「つまりじゃ、遥か昔、蒼龍と玄武と朱雀と白虎は4賢人と呼ばれていた。その4賢人が不滅のダンジョンを封印した。しかし蒼龍の力が強すぎるから力を半分にして不滅のダンジョンにまつったという訳じゃ」
「そこまでは分かりました。本当に蒼龍は仲間になってくれるのですね?」
「それは信用していい、元々こいつは正義を貫く男であったからのう」
【それは信用してくれていい、先程は本当に申し訳なかった。あの起こされ方はないと思うんだが】
「それは仕方ないですよ、こちらも謝罪しておきます」
【では仲直りした事だし、不滅のダンジョン攻略組を決めた方がいいのう】
「全員でダンジョンを攻略したほうがいいんじゃ?」
【まぁそれもいいのだが、勇者と超能力者殿にはここで待機してほしいのじゃ】
「なぜですか? もしかして」
【その通り、倒しそびれたモンスターが地上に出る可能性があるからじゃ】
「なるほど」
【まだ猶予はあると思う、お主が拾ったとされる20個のアイテムの鑑定が終わりしだい攻略しようと思うのじゃが、どうじゃろうか?】
「それでいいとは思うけど、皆には後で伝えておくよ」
【助かる。ところでボンバー魔王も連れて行くのか?】
「連れて行くさ、こいつもレベルを上げさせて子供にしたら今までと同じようにならないように再教育するからな」
【それでいいと思うぞ、しばらくはわしがボンバー魔王を預かろう、お主達が戦い、経験値が流れてこれば儲けものじゃと思っている】
「それでいいぜ、蒼龍もボンバー魔王も今は経験値が必要だもんな」
【その通り】
その後皆で高級宿屋の高級料理に舌包みをうち、お腹の中にたらふく入れると。
もちろんデザートにはドーナツが出てくる。
しかも高級食材を使って料理されたドーナツは、劇的に美味しかった。
口の中が甘さでとろけるような感じが、とても美味だったし。
なにより七つの大罪のメンバー達が目をトロトロにしながら、ドーナツを頬張っている。
そこにコーヒーと呼ばれる食材が出てくる。
「実はこれ僕が作り方を教えたのです。僕の世界ではこれをコーヒーと呼び、朝ごはんの食事がパンの時はよく飲んでいました。目が冴えますよ」
「やはり異世界とはすごい所なんですね」
僕は一度でいいから異世界に行ってみたいと思うようになっていた。
そんな事はきっと不可能な事だろうし、その時は勇者山中と超能力者玲子が戻る時なんだと思う。
「まったくこんなに甘すぎて太ってしまいますわ、もう美味しすぎるのですうううう」
「サリィーいつものツンデレなのーだけどー僕も胸が大きくなっちゃうのーーー」
「そこの2人とろけすぎですわよ、それでは淑女としてはいけません、淑女なら最後までとろけずに食べてみなさい」
「はわわわ、おいしーおいしーおいしー」
「レイディー大丈夫ですか? お姉さまとして命令します。狂ってはいけませんよ、おっほっほ」
「ぐーぐー」
「あちしこれなら30個いけそう」
「サキュラそれ以上食うなああああああああ」
最後は僕が発言した。
まるで言葉のキャッチボールがランダムになっている所がある意味すごい。
それだけ七つの大罪の女子達のコンビネーションは抜群であった。
その後七つの大罪と爆笑しながら、話を絞めくった。
最近女子連中で固まっているので、なかなか話しかけるのが難しくなっている。
それでもゆっくりと誤解のないように、そこにいるメンバーへと蒼龍の事を教えるのであった。
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