第46話 ありえないお金

 七つの大罪はお金の価値を知らないからきょとんとしている。もちろん冥王も玄武もいまいちな顔をしている。しかもこれ1人につきこれなのだ。勇者と玲子は真っ青になって泡でも吹きそうだった。


「ギルドマスターあなた達に損害はないのですか?」

「ん、いや利益があるけど」


「はいいいいい」


 僕は思わず驚きな声を上げていた。


「だからお前たちが倒しまくったモンスターとか吸収魔王が吸収して殺した分色々な素材が落ちててね、それも1つで1億一気に行きそうな素材がわっさわっさ」


 つまり僕達がもっと冷静に素材を集めていたら収入はさらにすごかったのではないだろうか、アイテムボックスを使うのを完全に忘れていた。しかし倒した後の事はすっぽりと頭から抜けていた。


 それをギルド員たちが拾い放題で、うっはうっはと唸っていたのだろう。

 最悪だ。


金貨11億枚 銀貨11億枚 銅貨11億枚というのが現在の所持金となっているが。

 なんだか少しずつお金の感覚がマヒしてきたような気がした。

 

「どこかゆっくり休める場所とかないかな」

「それなら高級宿屋【薔薇】などはいかがでしょうか」

「そこに行くとするよ、地図貰えますか」

「大丈夫ですよ、この冒険者ギルドの真向かいにありますから」

「それは助かる。それと20個のアイテムがあって、自分で鑑定するには疲れてしまっていて、鑑定で疲労するくらいならダンジョンを探索したほうがよくて」

「それなら当ギルドにお任せください」

「お願いします」


 そう言いながらアイテムボックスから20個の意味不明な形や色をしているアイテムを取り出した。

 するとギルドマスターは驚きの表情を浮かべた。


「明日取りに来てください」

「そんなに早いのですか?」

「いえこういうものは当ギルドでは人気のある鑑定仕事で、担当が燃え上がるからです」

「すごいですね」


「では皆様にお金を配っていきますので、よろしくお願いします」



 そうしてみんながお金をもらい受けると。

 僕たちは高級宿屋に向かう事になった。

 とはいえすぐそばではあるが、とてつもなく高級な建物であった。


 大将軍と政務官とはもちろん挨拶を交わして、何かあったら手伝うよと手伝ってと言われてしまった。



 僕の肩の荷は少し下りたけど、やはり1つの王族を滅ぼしたのは少しだけ気が引ける思いだった。

 

 ごく普通の街外れの村人がここまで強くなってしまい、あげくの果てには王族を滅ぼす。


 何度も何度も脳裏によぎり、

 温泉に浸かろうと部屋から出る。

 部屋は全てで3部屋借りてあり、俺と冥王と玄武が1つ、七つの大罪が1つ、勇者と玲子が1つ。

 勇者と玲子に間違いがない事を祈って置いて。


 真夜中になると汗を多量に掻き、べたべた感がたまらず、冥王と玄武はすやすやと眠っている。

 僕は温泉と呼ばれるくつろげるお風呂みたいな所に向かってみた。


 壁には混浴と書かれてあったが、どういう意味なのか知らず、中に入る事にする。

 そこには誰もおらず、やはり高級宿屋という事だけあって金持ちくらいしか来ないようだ。

 まずは体を掛け湯で流すと、ゆっくりと岩で出来た大きな温泉に入る。

 体が癒される中、何か物音がしたので岩の後ろに隠れると。


「ネメちゃんて可愛い顔して胸でかいんだね」

「それはー人にーよるものよーん」


「そんなサリィーだって」

「はわわ」


「って、意外とレイディーは御尻がでかいんだね」


 そこにいたのはサリィーとネメと、ルシュフとレイディーであった。


 やばい男として死ぬ。

 色々な意味では男としては成長出来るのだろうけど、彼女達に全裸を見られたら。

 ってそっちかいなと1人で突っ込む。


 サリィーの際どい姿が湯気で隠れてしまって、ほっとする。

 レイディーはこちらにお尻を向けようとするがそれも湯煙ガード。


 全てを湯煙ガードしていくと。

 ずっと目を瞑って冷静に冷静になる。


 それから30分が経過した。

 顔が茹蛸のようになりながら、口から煙を噴出しながら、4名の女性達が居なくなると、僕は走り出すのだが、そこでスッテンコロリンと転がってしまい、全裸の状態で気絶しそうなところを助けてくれたのが。


 

「助かったよ勇者」

「まったく、混浴ってのは男と女のお風呂、男だけならあっち、たぶんあの七つの大罪も知らなかったんだね」


「ならなんで君は混浴に来ているのかね?」

「いえ、えーと」


「私が来るからだ」


「ぎゃああああああああ」


 僕は仰天の声を上げて縮みあ上った。

 もちろんタオルで体を巻いている玲子であったが。


「では色々と語ろうではないか勇者殿」

「そうだな」


 たぶん異世界の話をするのだろうけど、僕は必要がないので退散する事に。

 眠る前にステータスを確認する事を忘れずにした。


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職業:モンスターテイマー

サブ職業:冒険者 ランク外

レベル13000

攻撃力25000

防御力24000

素早さ18000

器用さ15000

知力 13000


スキル 

【前世最強】:前世の力を一部開放

【乱舞無双】:マジックポイントではない力を消費して使う最強の拳無双

【最強武芸】:全ての武芸の達人

【レベル限界突破】:レベル9999より上に行けるようになる。

【魔剣召喚】:伝説の魔剣を召喚することが出来る

【魔剣融合】:魔剣と何かを融合させる事ができる。魔剣と竜魔人の剣で【ドラゴンキラーソード】

【肉体強化】:肉体の力を最大限にまで上昇させることができる。15分間:リキャスト30分

【モンスターボックス】:モンスターを箱の中にしまって置ける

【神の覚醒:瀕死の時に発動し、圧倒的なパワーを引き出す】

【魂の手】:透明な手を出し続ける事が出来、前世等で助けた人々が魂の力を提供してくれる。

【隠密】:気配を消すことが上手くなる

【モンスター防具化】:例えばスライムを防具化すると1体だけでは弱いが沢山の同じ種類のスライムを掛け合わせる事でさらなる最強な装備となる。限界は無いとされる。

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装備リスト

竜魔人の剣:レベル1

神仏のメリケンサック:レベル1

瞬足神の弓:レベル1

アイテムボックス

鑑定眼鏡

軽装鎧

魔力操作の腕輪:魔力をスムーズにイメージできる 透明の右腕


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