創造の女神が微笑むとき

昔、インスピレーションは


どうやって降りてくるのか?


真剣に考えていた時期がある。


憧れのアーティストは、


「空から突然降りてきた」


「ペンが勝手に動き出した」


「湯船でリラックスしていたら、アイデアが浮かんだ」


雑誌や本のインタビューには、

たいがいそう書いてある。


本当か?


試してみた。


スタジオにこもって、

ギターやピアノを弾いて

曲が降りてくるのを待った。

名曲はそう簡単には、

降りてきてはくれない。


ペンを握りしめたが、

勝手には動いてはくれない。


湯船でアイデアが浮かぶまで待ったら、のぼせて自分が湯船に浮かんでしまう。


「突然空から降りてきた」


この言葉だけを信じても、

インスピレーションは降りては来ない。


アイデアが浮かぶまでの、

長い過程が語られていないからだ。


皆、取り憑かれたたように、

その仕事に集中していた。


ありとあらゆる資料、情報を集めてインプットしていた。


何度失敗しても、


最後まで諦めなかった。


エジソン、

リンカーン、

ガンジーも

これができれば、


世界が変わる、


世界は良くなると


強く信じていた。


そして


「もうダメか」


という状況でも諦めない。


むしろ、


最後の試練だとやり抜く。


夜明け前が、


一番暗いことを知っていた。


極限状態に達したときに、


ふっ、と力を抜いてリラックスした。


この時、


はじめて創造の女神が降りて来てくれる。


「貴方は諦めないと思っていたわ」


そう言って、


アイデアをプレゼントしてくれた。


とことん詰め込んでから、


散歩に出かけよう。

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