開けた窓から夜風が入り、カーテンをパニエを履いた女の子のスカートのように膨らます。

遠くで踏切の音がする。

カン、カン、カン、カン。

正しいリズムが続いて、ごーっと電車の通る音がする。

静けさが降りてきた。

カーテンの隙間から、都会の夜が見える。下には街頭の並木。等間隔で並んだそれは何かの目印のようだ。上には真っ暗闇。ここでは他の明かりが眩しくて、星が見えない。黒い布で覆われたような空だ。

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