実践女子大学・青花磁器について

木谷日向子

第1話

先日鑑賞しに行った実践女子大学香雪記念館「中国美術史入門展-複製絵画と青花磁器 元明清を中心に-」で展示されていた二つの青花磁器について書きたいと思う。

 

私が本展覧会に足を運ぼうと思ったのは、元々白地に青で模様が描かれた磁器が好きで、学習院大学の哲学科閲覧室で、本展覧会のチラシを目にしたときに興味を抱いたからだ。青花とは磁器の染付に用いられる用語の一つで、白地の素地に酸化コバルト (→呉須 ) を用いて下絵付けを施し,さらにガラス質の透明釉をかけて焼き,文様を藍色に発色させた陶磁器の日本における呼称。中国では青花 (せいか) または釉裏青という。(註1)本展覧会では、今回、二つの青花磁器が展示されていた。「青花花文瓢形瓶(せいかもんびょうけいへい)」と「青花人物文有蓋壺(せいかじんぶつもんゆうかいこ)」である。以下、一つずつディスクリプションを行い、自身の見解を述べたい。「青花花文瓢形瓶(せいかもんびょうけいへい)」は、その名の通り瓢箪型をした青花の磁器の瓶である。瓢箪の上のふくらみと下のふくらみが見事に表現されており、展覧会のチラシにもこの瓶の写真が使われている美しい瓶である。全体に青花模様が描かれていて、上のふくらみと下のふくらみに枠で囲った中に盆栽のような花のついた木が描かれている。私がこの瓶を見ていて思ったのは、この木の幹は筆で一息で描いたのではないかということだった。木々の幹を一本一本見ていくと、重ね塗りしたような跡が見えなかった。なので、大きな筆で瓶に一息に描いたのではないかと考えた。木の中には葉だけの木と、花が幹の大きさを大きく上回るように描かれている木が見られた。文様だからなのか写実性を欠いた植物の描き方が目立っているように感じる。もう一つの「青花人物文有蓋壺(せいかじんぶつもんゆうかいこ)」に注目したい。こちらは遠目から見るとぷっくりとしたフォルムで白地に青が美しい壺である。しかし模様によく注目してみてみると、壺全体に人物が描かれている。蓋の上では中国の装束を纏った人物が蹴鞠であろうか。複数人で遊びを行っているのが見える。そして、下に描かれているのは貴人風の男の後ろで体を超える大きさの団扇を振りかざす男の姿である。

この模様が何を意味しているのか、中国史、そして中国美術史に詳しくない私にはわからなかったので、その他の中国の絵巻から研究してみたいと考える。


(註1)「コトバンク」 https://kotobank.jp/word/染付-90361#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8 












奈緒美子

作品一覧を見る



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

実践女子大学・青花磁器について 木谷日向子 @komobota705

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ