第39話 あの日の忘れ物

 「よし!」


 覚悟を決めた後封筒を開け、中に入っているものを取り出す。


 すると、そこから出てきたのは、大翔でも名前を知っているような、有名な女性ものの雑誌だった。


 (こんなものが美零さんの隠し事?ていうか、この雑誌と美零さんに何の関係があるんだ?)


 雑誌の表紙や裏面を見てみるが、特に変わった様子はない。


 中になにかが挟まっているのかもしれないと思い、ペラペラとめくってみると、小さな紙が落ちてきた。


 落ちてきた紙を拾い、見てみると、たくさんの数字が書いてあった。


 はじめの3桁の数字と状況的に考えて、これは牧原さんの電話番号なのだろう。


 (電話をしろってことか?牧原さんに?)


 まだ牧原さんのものだと決まったわけではないが、その可能性が高いため、この電話番号に電話を掛ける気は今のところはない。


(これだけなわけないよな?ってことは、やっぱり本命はこっちか。)


 最初は何かの間違いかと思ったが、この電話番号を渡すだけならさっき直接渡せばいいだろう。


 それに、電話番号と美零さんの秘密に何か関係があるとは思えない。 


 雑誌の中になにか隠されているのかもしれないと思い、最初から雑誌を読んでみることにした。


 (そういえば、前にも同じような雑誌を見たことある気が、、、なんでだっけ?)


 雑誌を開くと、なぜかそんなことを思い出したが、それがいつのことだったかはよく思い出せない。


 だが、2,3ページ読んでいくうちに、先程の疑問の答えを思い出した。


 そう。前に大翔がこの雑誌と同じようなものを読んだのは大翔がまだ入院したばかりの時。


 美零さんが初めてお見舞いに来てくれた時のことだった。


 「あれ?そういえばあの時って、、、」


 ほんの数秒前までは思い出せずにいたが、少しづつ読み進めていくうちに、数カ月前の記憶がだんだんと戻ってきた。


 そして、記憶が正しいかを確かめるために、もう一度表紙を見てみる。


 そこで大翔は確信した。


 「やっぱりそうだ。」


 (俺が見たのは、同じような雑誌なんかじゃない。!)


 あの時は雑誌の中身までは目を通してなかったかが、この表紙には見覚えがある。


 これは美零さんが忘れていったものと同じもの。それだけは断言できる。


 (こんな偶然ってあるのか?)


 いや、これは偶然などではないだろう。この雑誌は何カ月も前に売られていたもの。

  

 それが偶然なはずがないだろう。この雑誌のどこかに美零さんの秘密が隠されているのはほぼ確定的だろう。


 牧原さんの言葉を信じてはいたが、雑誌の表紙を見てあの時のものと同じだということに気が付き、少しの疑惑もなくなった。


 そして大翔は、美零さんの秘密を知るために、もう一度初めから読み始めることにした。



【あとがき】

 学校のテストが終わったと思ったら、また別のテストを受けることになり、少し遅れてしまいました。すいません。


 それと、今回はいつもより少し短めになっています。本当はもう少し書く予定だったんですが、これ以上書いてしまうと、話の切りどころが難しく、投稿がもっと遅れてしまうと思ったので、今回はここで切らしてもらいました。


 これからも、夏期講習や部活で投稿が遅れてしまうことがあるかもしれませんが、何度も言っている通り、絶対に途中でやめるなんてことはしないので、楽しみに待っていてくれると嬉しいです。


 コメント、フォロー待ってます!作品を評価してくれると嬉しいです。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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