結婚

 それから、ミトラは再びムスタファーに言いました。

「先生、結婚に関してはどのようなご意見をお持ちですか?」

 彼はこのように答えました。

「あなた方は一緒に生まれました。そしていつまでも一緒にあり続けるでしょう。死の白い翼があなた方の指先までを散り散りにする時も、あなた方は共にあるでしょう。

 そうです、そしてあなた方は、神の静寂な階層の中でも、共にあるでしょう。

 ですが、あなた方の共存の間にも、あなた方を分け隔てるいくらかの空間を設けなさい。天空の風が、あなた方の間で踊ることができるように。

 お互いを愛しなさい。ですが、愛を枷によって拘束してはいけません。そうではなくて、愛を、あなた方自身の海岸の間で波立つ海にしなさい。

 あなた方各自が、自分のパートナーのコップを満たしなさい。ですが、同一のコップから飲んではいけません。

 あなた方のパンのかけらのひとつひとつを、自分のパートナーにあげなさい。ですが、同一のパンから(その一部を取って)食べてはいけません。共に歌い、踊りなさい。いつまでも歓喜のうちにいなさい。ですが、あなた方ひとりひとりが、単独であるようにしなさい。

ギターの弦のそれぞれが単独で存在していながらも、それらが一緒にひとつのメロディを奏でるように。

 あなた方各自が、自分の心をパートナーに与えなさい。ですが、その与えるという行為が、束縛したいがための行為にならないよう気をつけなさい。なぜなら命の手だけが、あなた方の心を保つことができるのですから。

 一緒にお立ちなさい。ですがあなた方のうちの一方が、もう一方の人にあんまり近づきすぎてはいけません。神殿の二本の柱は、お互いが離れて立っているのですから。

 樫の木と糸杉の木は、相方の影のもとで成長するわけではないのです」

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