さよならの意味

……こんな世界、滅んでしまえばいいのに!

"逃げてるだけなんだ、僕は。こんな世界からも、僕自身からも。そして、ポッカリーネからも。

"また美しい春を見つけに行こうと言ったじゃないか!どうして。なんでた。ポッカリーネは僕に嘘をついたことがない。あれは嘘だったって言うのかい!?"

ハルホスは取り乱しました。

"ああ、僕は一体何を求めていたんだろう。僕は、何を手に入れたかったのだろう?毎日が同じ?よくもそんなことが言えたな。変わってしまうことがこんなにも恐ろしいことだったなんて"


ポッカリーネはハルホスを置いて行ってしまいました。

遠く、遠くの世界に行ってしまぃした。

ハルホスがもし、夕陽に触れられると信じて夕陽に触れられたとしても、もうポッカリーネに会うことは出来ません。


ルシュファンは遠くから来た医者でした。

ポッカリーネは小さい頃から身体が良くないのだと、教えてくれました。

最善を尽くしたけれど、ポッカリーネは消えてしまった、と。

"消えてなんか…消えてなんかいない!!ポッカリーネは消えたりしない!"

ハルホスは叫びます。

"人はね、2進法なんだよ。生きているか、死んでいるか、のね。"

ルシュファンは詩人なのに数学的なことを言います。

"人と人との関わりっていうのは、グラフにあるふたつの線の接点のようなものなんだ。関わりあえるのはほんの、ひと時だけなんだ。だから、出会いを大切にしなきゃいけない。

人を恨んではいけないんだ。

これはポッカリーネが持っていた日記だよ。君にあげよう。"

小さなノートには、夕陽の丘と書かれていました。

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