18話 後輩ちゃんが来た!?

「しぇんぱ~い!いえ~い!!」

「おいおい飲み過ぎだろ……」

 後輩の安藤瑠璃アンドウ ルリは同じ部署の飲み会がお開きに近づくにつれて、少しずつ変貌していった。そしてとうとう飲み会はお開きとなり続々と帰路につく。さて、この娘はどうしたものか。、瑠璃ちゃんもかわいい。ほっておいて犯罪に巻き込まれては申し訳が立たない。そこで俺はスマホを取り出し、電話をかける。

「歩くん、今終わったの?」

「うんそうなんだけどさ」

「どうしたの?」

 俺は簡潔に一連の流れと、下心のないことを説明する。

「まあ、仕方ないか……」

「ありがとう、じゃあ今から帰るから」


 電車で数駅乗った、そう大きくなくどちらかと言えば物寂しい最寄り駅に着く。

「おい、もう少しだから、しっかり歩いてくれよ」

「わかってますって」

 眠そうな顔して、いったい何が分かってんだよ……

「おかえり」

 そう言っていつものように出迎えてはくれたが、複雑な表情をしている。まあ仕方のないことだ。そんな綾香さんにはプレゼントに限る。

「綾香ごめん、お詫びと言っちゃなんだけど、京都に行く前、欲しがってたキーホルダーあげるよ」

「ふん!まあ貰ってあげます」

 そういう綾香の顔は真っ赤になってたから作戦成功?てかいい加減酔いを醒ませ後輩よ。

「俺のベッドに瑠璃ちゃんを寝かすとして……」

「風邪をひかれてニートできなくなっちゃったら困るので一緒に寝ましょう」

 照れ隠しに敬語を使ってるが余計に目立つ。かわいい。

「ニヤニヤしないでよ、歩くん!」

 一応別々の部屋はあるのだが、同棲カップルの特権、添い寝は今までにも何度か機会はあった。だがそれはいつも俺の部屋だった。綾香は自分のベッドで寝られるのを恥ずかしがっている。

「相変わらずぬいぐるみだらけだな」

「子ども扱いしないでよ~」

 綾香と良好な関係を続けていくにあたって忘れてはならない事は、ヒキニート云々以前に、綾香は子どもっぽいということを。


「すいませんでした!!!!」

 翌朝は快晴にもかかわらず、室内は謝罪の嵐だった。

「もういいから朝ごはん食べなよ」

「彼女さんも本当にすいませんでした」

「えへへ、歩くんと一緒に寝れたから許してあげる」

「お、おい!」

「羨ましいーーー!!!」

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