7話 ヒキニートにゲームは厳禁!?

「ね〜おねがい〜買って買って、おねがい」

「わかった、わかったから!」

「わーい!!」

 とある仕事帰り、俺は大きな子どもをあやしていた。この子どもは収入源を持たない。だからこうやって、駄々をこねているのだ。押し切られた訳だが。

 仕方なく、ネットで昨日発売されたゲームソフトを、電子上のカートに入れる。


 楓が実家に戻った矢先、綾香はまたもやヒキニートまっしぐらとなった。恐怖政治はことごとく革命の火種となってきた。楓、風紀委員の方針も、考え直した方が良いと思うぞ……


 ネット通販レベルの向上は止まることを知らず、翌日の午後には届いたようだ。綾香から連絡が来たので、事実は把握している。だが少し嫌な予感もするんだよなぁ。


 うん、やっぱり。この子、ずっとゲームしてるわ。

「そろそろ休憩した方が良いんじゃない?」

 母親さながらの質問兼要求。しかし子どもはよかれあしかれ、欲望に素直だ。

「あとちょっとだけ」

 驚くなかれ、もう夜8時だ。昼過ぎからずっとプレイしているのに、まだ疲れてはいないらしい。このままのペースでは、すべてのミッションがクリアしてしまうのでは?僕にも経験が無いことはない。そしてその先の結果も知っている。そう、飽きが早まるという事を。


「そろそろお風呂に入った方が……」

「まだ大丈夫だもん」

 大丈夫じゃないもん。

「うわっ!?また負けちゃった!む~」

「ほら、丁度区切りも良いし……」

「ホント、む~だよ。あ、歩くん!?いつからそこに!?」

「どれだけ夢中だったんだよ!?」


 その後しばらく、綾香ちゃん(小学16年生)はゲームを1日1時間しか許してもらえませんでした。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る