5話 ニート引退!?

「う~ん、やっぱり風邪だね」

 体温計を救急セットへとしまい、ベッドに横たわる俺に、綾香は悲しげにそう告げる。

「今日はお仕事お休みした方がいいよ?」

「まぁ、そうだな……」

 先輩に連絡したら、簡単に許してくれた。綾香と同じくらい真っ白だな、うちの会社。


 秋の始まり、季節の変わり目ということもあってか、久々に風邪をひいちまった。綾香に移らなければ良いけど。


「じゃじゃーん!」

「そ、それは!?」

「今日1日はニートを辞めます!」

 綾香は青少年には刺激の強い服装、いや、コスプレをしていた。なんのって?そう、看護師だ!

「なんでそんなものを……?」

「なんでだろう?」

「?」

 まぁ、この際、綾香のナース姿を拝めたのだ。久々の風邪、グッジョブ!


「お粥です!」

「ありがとう」

 しっかり看病してくれてる!正直キッチンに向かっていったのを見た時は、豚のしょうが焼きを覚悟したが。病人にとっての使はこんな感じだったのかもなぁ。


「じゃあ、今日は暖まるように、猫のぬいぐるみを貸しましょう」

「ありがとう?」

 そんなのあったっけか?

 荷物を漁っているが、ぬいぐるみが見つかったようだ。

「ちょっと、ちょっと!?」

「大丈夫、ナース服の下は普通の服だから~」

 いきなり脱がないで!てか、ぬいぐるみは!?


「本日二回目のじゃじゃーん!」

 そこにはぬいぐるみを抱える綾香、ではなく、猫耳にしっぽ、というこれまたフェチズムを目覚めさせるコスプレだった。

 そんなの買って、普段何してるの……?


「お邪魔しまーす」

 が僕の布団の中に!確かに暖かい!いい匂い!うん!眠れない!

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