トラックオンドラグーン

奥田啓

第1話

俺は28歳。トラックの運転手、真島陽平。説明的になったが名前をいうのはどうすればいいか分からず、結局わざとらしく自分語りするしかなかったのでそうした。俺は奇妙な現象を目の当たりにした。話を少し戻そう。

小さな運送会社に勤めていた俺は今日も変わらず朝からトラックに乗り込んで配送業務に勤しんでいた。車内で電話がなる。いつもは運転中は基本でないのだが、彼女からの電話で何度もかけてくるのでしょうがなくとった。

すると急に別れて欲しいと言ってきた。

なぜかと聞くとダムが決壊したかの如く、今までの俺の気に入らないことを延々と語り尽くす。俺はいつもの発作だと思った。女の人が突然感情が昂ってウワーッとなるあれだ。あれに違いないと言って宥めようとすると好きな人ができたとさらなる攻撃を与えてきた。もう動揺してしまい、その時俺は電話に夢中でちゃんと前を見てなかった。そして目の前には同じようなトラックが近づいてくる。どうせ別れるなら電話出なきゃよかった。俺の命があればこそどうにでもできるのに、別れた上に死ぬなんて不幸が重なりすぎだ。そして俺は記憶が途切れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

トラックオンドラグーン 奥田啓 @iiniku70

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る