continue

真花

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創りたいと想ってしまった。

衝動は幼い頃からあった。対象はブロック、音楽、学術理論、変わって行った。

当然の帰結のように、あたしは物語りを。

創りたいと想ってしまった。

それは素晴らしいことのように思えた。

創ること自体の快楽はあって。

それはあたしにペンを握らせるのに十分で。だけどそれだけでは満足が出来ないことに。

気付いてしまった。

誰かに読まれて、誰かに評価されて、その嬉しさを知った。

その逆も。

でもそれが全てではないことにも。

気付いてしまった。

あたしがどう書きたいかは、あたしがどう生きたいか。

だってあたしの作品だけがあたしをあかしするものだから。

ゴールが見えない。それはそうだ。既にある何かを目指すならあたしの作品は要らない。

だけど一つだけ分かった。

創りたいと想ってしまった。ならば、創る。

何度でも、そのときの全てで。

その結果が討死にだろうと、continue。

うまく行こうと、continue。

何回目だろうと、continue。

気付いてしまった。その先が見えないならば、想いがあるならば、continueしかない。

いつか、もう満足だと言う日が命ある内に来ないならば、斃れるそのときもcontinueの最中だろう。

依存性のある甘い毒なのだろうか。

それでもいい。

創りたいと想ってしまった。だから今夜もcontinueする。


(了)

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