第47話 君の話はもう聞き飽きた

 「なぁ有希乃。冬休みの事聞いたか?」


 「うん。聞いたよ。楽しみだね!」


 とある平日の朝、有希乃との登校中にこの前上がった話題を出してみたらあちらにも伝わっていたようでまだもう少し先だというのに有希乃は明日事かのようにわくわくしている。可愛い。


 「有希乃ってスキーが得意なのか?」


 「ううん、全然。というか初めてなんだ。」


 「じゃあ何がそんなに楽しみなんだ?」


 「え?それはユウ君と一緒にいける事がとても楽しみなの。あー早く来ないかなー。」


 ...なんだこの子。めちゃくちゃ可愛いんですけど。隣では今にも踊り出しそうな様子で有希乃が歩いている。正直傍から見るとこいつらやべぇ奴らだと思われているかもしれないが今の俺たちにとってそんな事は些事だった。


 時は変わって放課後、教室内で今度は晃德も加わり3人で談笑していた。


 「へぇ、スキーか。楽しそうでいいね。」


 「晃德はどっか行くのか?」


 「君たちほど優雅なもんでもないがクリスマスくらいは彼女といるつもりだよ。」


 「なんだか素敵だね。」


 「お熱いねー。」


 「ブーメラン刺さってるぞー。」

 

 そういえば晃德にも可愛い彼女がいるんだった。いざ彼女の事を口にすると少し嬉しそうな顔をするもんだからついからかいたくなってしまう。しかしあまり晃德の口から出る事がなかったから忘れてたぜ。でもそんな事言ったらなんか怒られそうだし心の中にそっとしまっておくけど。


 「ま、その日以外は基本的に勉強してるかストブラだな。」


 「冬休みに宿題じゃなくて勉強ですか。」


 「ユウ君も見習うべきね。」


 有希乃がいたずらっぽく微笑む。いや、分かってるんだよ?俺だってちゃんとしようと思ってるんだよ?ただそのやる気が出ないだけであって...。その...ね?わかる?

 

 「ま、まぁやる気があればな。そんな事より来週は調理実習だよな?エプロン忘れないようにしろよな。はは...。」


 「「...」」


 どうにか話題を変えようとしたが二人からの無言の圧力がすごい。ねぇ、たまには勉強以外の話もしよう?ドラマの話とかさ。お兄さん疲れちゃう。

 その後家に帰ってから俺が勉強したかというとそんなわけないじゃんとしか言えない。やる気が出ないんじゃ仕方ないね。うん。

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おっぱい星人の俺、巨乳彼女と付き合うことになりました。 ななしのごんべえ @moyashi-Nippon

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