第17話 祝勝会

 地獄のようなテストを乗り越え、ついに英語のテストが返却される。

 この順位次第ではデートが延期となってしまう。それだけはなんとしてでも避けたい。

 解いている感じは手応えありだったからここは大きく期待をかけて...。


 「訂正は無いかー?じゃあ順位表を配るぞー。」


 英語の担当教師が順位表を配り始める。

 順位表には匿名で上位20位の点数が書いてあり、そこに自分の点数が書いてあれば20位以内に入ったことになる。


 「どこだ...あってくれ...。」


 上から順に自分の点数を探していく。


 「――あった!」


 あった。19位だ。俺は嬉しさのあまり席を勢いよく立つ。

 まあそうなるとクラス中の視線を集めることになるわけで...、


 「おい、柳沢。はしゃぎすぎだ。早く座りなさい。」


 「す、すみません...。」


 と、視線を集めた上でさらに先生にも怒られるという恥ずかしい体験をしたのであった。

 時よ戻れ。


 ――時は変わってその日の放課後、晃德も交えて3人で帰っていた俺たち。

 

 「やるじゃん優一。毎回そんな点数が取れればなぁ。」


 「そうだよね~。私も同じことを言ったんだけど。」


 「無茶言うんじゃねぇよ。そんなことしたら俺の頭がぽぽぽぽーんってなっちまうぜ。」


 「なんだよそれ。まぁ優一も頑張ったってことで今日は何か食べて帰るか。」


 「お、マジで!?」

 

 「うん、いいね~!」


 「おっと優一、勘違いして欲しくないんだが奢りじゃ無いからな。」


 「ま、まぁそうだよな。分かってたぜ。」


 「あれ?ユウ君もしかして本当に奢ってもらえると思ってたの?」


 「優一はドケチだからな。」


 「あーもう。早く行こうぜ。」


 「「はいはい。」」


 そのまま駅の近くのたい焼き屋さんに寄っておいしいたい焼きを食べた。

 本当にいい友達、彼女だと思う。おかげで次のテストでも頑張ろうと思えた。

 もちろんお金は各自で払ったが。

 

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