　数年間沈黙を守ってきた友人canooooopyの新譜『天地を解くコデックス [codex to uncoil the cosmos]』が突如リリースされた。私の作品のタイトルデザインを作ってくれている友人なのだが、古くはメキシコのPIR▲.MD Records数年前は国内のVirgin Babylon Recordsから作品をリリースしていて、全ての音がサンプリングのみで成り立っているという偏執的楽曲制作方法を取っている変態だ。

　彼とは音楽情報をシェアしたり、たまに漫画などの話をするのだけれど、感性が非常に近く、話しているととても落ち着くのだ。私の文章に対してもアジテートをしてもらったりと、とてもお世話になっている。

　彼がどういった経緯でレーベルから離れたのかは不明だけれど、今回の作品は何とも尖った実験的な内容になっていて、それでいてかっこよさ、気持ちの良さという快楽主義的な側面も損なわれていない稀有なアルバムになっていた。

　私の作品は人に読まれないという前提があるのだが、それでも文章を書き始めてからのここ数ヶ月、メゲずに言葉を編み続けてこれたのは彼があってこそだし、彼が私の文章を好きだと言ってくれたからだ。私が音楽を作っていたときにも一緒に盛り上がったのも彼だった。いつでも彼は私の創作活動の味方だったし、今も常に心の拠り所として付き合ってもらっている。そんな彼が、何かの軛から解き放たれたように新しい音楽を発表したとなれば小躍りする他ないではないか。

　というわけで彼が忙殺ながらも、その中でクリエイトをやめずに少しずつ積み重ねるように確実に構築されていったこの音楽にとにかく感動した次第である。

　今日はリモンと鳳仙と朝まで踊るパーティーをする。決めた。6つあるスピーカーをフルボリュームにして、低音で壁が崩れるほど踊る。この家が壊れて、空が見える部屋で汗をかきながら、頭の中に彼の膨大なライブラリの断片塊をブチ込んで、そのトゲトゲでかき混ぜるのだ。

　楽しい夜。