第2話 召喚される!

 ふと目覚めたが何故か大理石のような磨き上げられた床の上に倒れていた。少し頭が痛い。


 起き上がるとクラスメイト達が居た。副担任の先生と実習教育中のナイスバディのゆきりんこと雪乃さんが見えたが、皆踞って呻いている。俺のみ皆より早く立ち直ったっぽい。


 周りを見渡確認すると中世ヨーロッパの城や神殿を彷彿とさせる荘厳な造りの広間に俺達はいた。白亜の柱には見事な彫刻が施してある。そして手に槍を持ち、甲冑を着込んだ兵士だか騎士だかに囲まれている。

 また、ローブを纏った一団も見えた。俺は状況を必死に理解しようとしている。

 どうやら囲んでいる連中はこちらの回復を待っていて、今の所は敵意は感じられないようだ。


 まず自分の持ち物を確認する。バスの座席には手荷物として小さなデイバックを持っていた。そのデイバックには財布、スマホ、イヤホン、ソーラー発電とバッテリーとコンセント一体の充電器、小さな水筒、LEDライト。但し100均のでショボい。読み掛けのSF物の小説、タオル一枚にポケットティッシュ、手鏡兼ブラシ、汗拭き、ポケットにはハンカチといった感じだ。それとドライバーやらナイフやらが付いているレーザーマンのマルチツール。父親から漢なら持ち歩けと言われて工具として持ち歩いている。胸ポケットには生徒手帳とペンとシャーペンがあった。バスに乗る前の記憶と一致する。

 取り急ぎ美菜を探す。

 他の者には目もくれず美奈に駆け寄り体を起こして額の汗を拭う。あっとか、ううとか呻いている。


 嶌田 美菜は、俺の家のお隣さんで幼馴染だ。

 いまじ珍しい黒髪ロングでスラッとしていてモデルさん並だ。胸は去年の夏はÇカップだが今は恐らくDカップはあるナイスバディーの持ち主だ。

 ボーイッシュな所があるが、年下女子に人気の男装が似合いそうなきつめの美人だ。

 俺達は付き合ってはいないが、クラスの公認のカップルらしい。中学に入るまで風呂に一緒に入っていたが、胸が膨らんできて、俺もお毛毛が生えてきてお互いを異性として意識するようになってからは少し距離を置いていた。つもりだった。

 俺は両親がいない。両親が亡くなる前は少し距離があった。

 俺の両親は三年前の交通事故で亡くなっているのと俺は一人っ子だ。

 持ち家だし、賠償金、保険で金銭的には困っていなかった。近くにばあちゃんが健在で時折様子を見に来るのと、法律の上では保護者だ。


 美菜がは事故で両親を亡くして以来何かと母親気取りで世話を焼いてくる。弁当を作ってくれたり、洗濯もしてくれる。思春期の男の子のパンツも干してくれる。

 当然の如くで他の奴らは後回しで美菜を介抱する。


 俺が立ち上がり2分位して


美菜「あっ聡太、何が有ったの?それに何勝手に触ってるのよ?エッチなんだから」


聡太「よく分からないが、どうやら異世界に連れてこられたようだ。格好や顔から日本人じゃないような気がする。何が有っても俺が美菜を守ってやるからな」


 美菜はくねくねしながら周りを見て頷き


美菜「聡太のくせに、くさい事を言うのね。でもちょっと格好良かったぞ♪それとね、今みたいにメガネが無い方が格好いいんだよ♪私を一生守ってね♪」


 俺は周りの観察に意識を向けていて適当に返事をした


聡太「ああ、俺が守ってやるさ」


 真っ赤になり、俺にしがみついてきていて良い雰囲気だ。

 そう言えばメガネがどっかに行ったが、無くてもはっきり見える。何故か分らないが有難かった。


 しかしそんな良い雰囲気も皆が起き出したの見た神官?が話し始めて終わりを告げた。


 女神官「ようこそ勇者様方。説明と検査を致しますのでまずは別室へ」


 そういい皆を立ち上がらせて隣室へ向かった。皆はまだ頭がぼーとしていて指示に黙って付いて行くのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る