水の面積

坂井 傑

詩 「水の面積」

そうして夕暮れに黙る二人に

別れのような言葉が降る

雫か雫のままの心は

水に還ろうとしている

どうしてか 戸惑い

果ても夜風に消え入って

まだ 残された銀の声は

響いて 面積に砕け行く

君が かなしいのか

ぼくが かなしいのか

月の斜光に訊いては

もう 何も磨け無い二人の

背中と背中が

たぶん 泣くのだろう

水のように

流れる水のごとくに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

水の面積 坂井 傑 @sakai666suguru666

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ