第32話

 そんな幸子に気付き、太一はすぐに突っ込んできた。

 小さく硬いソファの上で交わった後、幸子は太一に問いかけた。

「ねえ、太一。中学のとき、私で抜いた?」

「え?」

「だから、私のこと考えてオナニーした?」

「・・・」

「何よ。しなかったの? そんなんで好きって言えるの?」

「・・・した」

「え? 声が小さい」

「したよっ! した。何度もした」

「へえ、何度もしたんだ~」

「うるせっ!」

「きゃっ!」

 太一が幸子を乱暴に抱き寄せる。

 この男が初めての男だったら、私の人生は変わっていただろうか。

 短小の須藤ではなく、無駄に大きなモノをぶらさげた(それが太一の唯一の長所だった)太一だったら。

 早くも力を取り戻した太一が自身のモノを幸子の入り口にあてがう。

「もう一度、いいか?」

 幸子は黙って頷き、これまでもずっとそうしてきたように器用に男を導き入れた。

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