擽(くすぐ)り

……………パチッ。


ばっと起きると、そこは、ベットの上だった。

キョロキョロとすると、どうやら保健室のようだ。

周りがカーテンで囲まれている。


はたと、あることを思い出す。


そぅっと、ソコへ手をまさぐると…


「…濡れて、ない?」

思わず、ボソリと呟いてしまった。


…そんな、確かに僕は…


あの快楽も、刺激も、全部覚えているのに。


「あれっ、起きたのかなー?」

ビクッとその声に反応する。


「あっ、はい、もう大丈夫です。」


そう言うと、シャーッとカーテンが開かれる。


…そこには満点の笑顔があった。


そうだ、そうだ…確か最後に見たのは…


思い出すより先に、彼が口を開く。


「起きてよかった!

救急車を呼ぼうかと思ってたところなんだ!」


胡散うさん臭い笑顔でそう言われても…。


だけど、お礼はしなくちゃ。ざっと見たところ、保健室には、僕と彼しかいない。


つまり、彼は運動場へ行かず、

この快適な部屋の中で暇を持て余し…いや、起きるのを待っていてくれたのだ。


「あ、あの、本当にありがとうございました。」

ベットから足を出し、腰掛け、ぺこりと頭を下げる。


「ふふっ。いいんだよ。それより、怪我の確認をしなくちゃ。


__脱いでくれるかな?」



「…っえ?

や、大丈夫っ、大丈夫ですっ!」


「ダメだよー?さっ、横になって♪」




ベットに押し倒される。

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