夢精*

今度は、爪で引っ掛けられ、歯で甘噛みされる。


その度に、どこからともなく甘ったるい声が聞こえる。



「あぁァッ、はぁ、んんぅ…」



「…感じやす過ぎ…」

そう呟く声が聞こえると、


ジーッという音と共に、下半身の下着があらわにされる。


布を押し上げるソレを、ツゥゥーと愛おしそうになでる指。


…動きたいが動けない。考える事ができない。



…そうか、これは、夢なのか……。


と、悟ったのも束の間。



「ッア」


ついに、その手は中に滑り込み、軽くしごく。


先端を指でグリグリといじられ、口では相変わらず、胸の突起をチュウチュウ吸われる。


「はぁっ、はっ、ぁっ、んンう、あっ!」


乱れる呼吸。



…聞こえる甘い喘ぎ声。これは、僕の声なのか。


信じられなかった。


でも、声は止まらない。


荒い息遣いも。


なぜがヌメリが加わり、一層気持ちが良くなる。


そして、水音も激しく。


クチュンッ!クチュクチュンッ!


「気持ちい?」


クチュッ!クチュッ!


もっと、もっとして…。

そんな僕の欲望に応えるかのように、激しくなっていく。


チュッ!チュゥゥ!



「アッ、あっ、あっ!はぁッ、はぁッ!


いっ、イクッ!んぅ!



ッぁン!!」


ビクビクンっと跳ねる体。


絶頂の気持ちよさを痙攣けいれんと共に感じる。


今までの自慰行為より気持ちいい。


俗に言う夢精なのかな…。初めてだ。


…それにしても、ああ、イってしまったなんて……。


僕は、再び、

抗えない倦怠けんたい感に意識を沈めてしまった。

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