033 貧乳は至高、俺はケツの穴の秘密を知られたくなかった

 さくもは、スマホの地図アプリを開いて歩き始めた。


「さあ、行くわよ」


 俺と充子は、さくもの後ろを歩く。充子は、いつものように俺に腕を絡めてきた。制服越しにおっぱいの感触が伝わり、俺は相変わらず興奮してしまう。やはり、控えめぐらいが丁度いい。


「充子、なんか嬉しそうだな」


 充子の腕は、普段より俺にガッチリと絡んでいた。細い指先も、俺の腕に軽く食い込むほどに……。痛くはないが、そこに無言の圧力を感じた。


「そりゃもう、やっぱり私にとって、さくもちゃんがずっと邪魔だったんだもん……」


「あら、案外ハッキリ言うのね。でも、怒って当然だわ。ごめんなさい……。あたしが悪いのよ」


 これは険悪ムードか……?


「でも、さくもちゃん……。私は辛うじてあなたは信用出来る女の子なの。最初はクソビッチかって思ったけど、あれから一度もりんごくんを誘惑しなかったし、そこは認めてるの。ストゼロ飲んでも、案外ブレーキが効くから安心よね……。理性がぶっ飛んで、いつの日かみたいに、りんごくんに体触らせようとかしなかったし。それに、りんごくんも当然ながらさくもちゃんに手を出そうとしなかったし、そこに関しても私は一応安心しているの。監視カメラを付けた甲斐があったなって思ってる。私に一途って認識で問題無いよね? でも一つ不思議なことがあってね、先月旅行行った後の話なんだけど……。りんごくん、うんちした後にお尻を痛がる仕草を見せてたの……。痔かなと思ったけど、痔ではないみたいだしね……。さくもちゃん、何か知らない? まぁ、知る訳ないか……。私が知らないこと知っている訳ないもんね。で……そうそう、それでりんごくん……。今更だけど、何であの時お尻痛そうにしてたのかな? 良かったら教えてくれない? 私、心配していたんだよ?」


「痔だよ」


 俺は、速攻で返事をした。


「本当に痔だったんだね。私、安心した!」


 安心したと言っているが、充子は明らかな作り笑いだったのだ。背筋が凍る。


「ふふっ」

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