第二章3話 角がなくなるのは髪の毛がなくなるのと同じ感じ。
ロリコンに関する再発防止教育を受け、ターダノは精神的ダメージを受けたが、とりあえず誤解を解きたいので教えてもらったようにアプローチ方法を変えることにした。
そのアプローチ方法はまず魔王城に転移し、魔王城で話の分かるものに通して父と母に合わせてもらうというものだった。
そんな事を考えながら、牢屋から出る日となった。
「ターダノ、この牢屋から出るときには決まりがある事を知っているか?」
「いえ、知らないです。」
「そうだろうな。そんな晴れ晴れしい表情をしているので分かる。
では以前、罰を受けるという事を伝えたのは覚えているか?」
「はい、覚えています。
この牢屋の中に長時間いることが罰なんでしょう?」
「いや、違う。
それは、長寿の魔族にとって罰にもならんし意味をなさない。
そういった罰ではなく、ターダノの大事な部分を預からせてもらうという事だ。」
「だ、大事な部分!?そ、それは、ま、まさか」
「そうだ、魔族の象徴。角だ!」
(角かよ!!)
「角ですか、わかりました。それで預けるというのはどうやって預けるのですか?」
「お、おう、あんまり驚いていないようだな。角は切るのだ。」
「え、一本ですか?」
「いや、全部の角だ」
「3本ともですか!?」
「あぁ、そうだ。
そして、3本の角をこちらで預かる事で再発の防止目的を兼ねている。」
「あぁ、お父さんとお母さんにはどう説明すればいいのか・・・」
「ん?どうした?」
「いえ、お父さんとお母さんが角が無くなっているのに気づいてくれるのか心配で・・・」
「いや、親なら大丈夫だ。魔族はそういうもんだ。」
「そうなんですか?じゃあ、そう信用しますね・・・」
「では、角を斬るぞ。」
講師はそういうと、とても綺麗で輝いている細めのナイフを持ち出し、僕のツノを切った。
ただ、僕は何となく髪の毛を斬られたというような認識だったので、あまり驚かなかったが、逆にその講師に驚かれてしまった。
「ターダノ、痛みはないのか?」
「はい、なんとなく逆に気持ちがいいくらいで」
「そ、そうか・・・(こいつ、なんかどんどん怪しくなっていくな・・・)
では、うーん、まぁ、これで終わりだ。出ていいぞ!」
「あ、はい、今までお世話になりました!」
「あぁ、もうするんじゃないぞ!」
そうして牢屋から出ると、とても明るい日差しが待っていた。
(遅くなっちゃったけど、魔王城にとりあえず行こうかな)
そして、遂に産まれてからほぼ4年経ったターダノは、改めて魔王城に転移するのであった。
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